ポーソン(英語表記)Pawson, Anthony James

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ポーソン」の意味・わかりやすい解説

ポーソン
Pawson, Anthony James

[生]1952.10.18. イギリス,メードストーン
[没]2013.8.7. カナダトロント
イギリス生まれのカナダの生物学者。細胞間の情報伝達の仕組みをつきとめたことで知られる。細胞表面にある蛋白質構造 SH2ドメインが伝達にかかわることを発見し,細胞間伝達の破綻の原因と結果を探る新たな研究分野を生み出した。1973年ケンブリッジ大学クレア・カレッジで学士号,1976年ロンドン大学キングズ・カレッジで分子生物学博士号を取得。1981年カナダに移住,1981~85年ブリティシュコロンビア大学助教授,トロントのマウントサイナイ病院サミュエル・ルネンフェルド研究所上級研究員を務めた。細胞間伝達の失敗が疾病を引き起こす可能性を示したポーソンの研究は,糖尿病,心臓病のほか各種の自己免疫疾患の新療法や新薬の開発につながった。2005年ウルフ賞,2008年京都賞を受賞。2006年にコンパニオンズ・オブ・オナー勲章を受章

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