マウォポルスカ(英語表記)Małopolska

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「マウォポルスカ」の意味・わかりやすい解説

マウォポルスカ
Małopolska

ポーランドの南部と南東部を含む歴史的地方名。別称小ポーランド。ウィシラーニェ人の土地で,10世紀末にポーランド国家の一部となった。歴史の古いポズナン・カリシュ地域 (ポロニアマヨール,ウィエルコポルスカ ) と区別するためにつけられたラテン語のポロニアミノールから出た名称。マウォポルスカ地方は鉱業製鉄業が早くから発達し,土地が肥沃なうえ,重要な交易路や多くの町があったため,ポーランドの他の地域より栄え,政治にも大きな発言力をもっていた。ポーランド分割の結果,大部分の地域がオーストリア (ガリチア) の,一部の地域がロシアの支配下に入った。 1809年ウィスワ川とサン川の北側のオーストリア占領地域がワルシャワ公国に,さらに 1815年ロシア領ポーランド王国 (会議王国) に入った。クラクフ一帯はクラクフ共和国 (1815~46) となったが,のちオーストリアに編入された。 1918年東部地域を除いて,新生ポーランドの領土となった。この地域一帯には中世の木造教会群がいまも残り,2003年世界遺産の文化遺産に登録された。

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