日本大百科全書(ニッポニカ) 「マウル」の意味・わかりやすい解説 マウルまうるOtto Maull(1887―1957) ドイツの地理学者。フランクフルト・アム・マインに生まれる。とくに政治地理学の専門家として知られ、著書『政治地理学』(1925)は国家を有機体としてとらえた最初の著であり、ラッツェルの政治地理学を発展させ、政治地理学の体系化に貢献した。グラーツ大学の教授となり、数々の業績をあげた。『文化景観の地理学』(1932)、『人文地理学』(1932)の好著のほか、154に及ぶ著書、論文、書評などがある。また地誌学研究にも多くの業績があり、とくにバルカン、地中海および南アメリカに関する論文、著書が多い。[市川正巳] 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例