マエストゥ(読み)まえすとぅ(英語表記)Ramiro de Maeztu

日本大百科全書(ニッポニカ) 「マエストゥ」の意味・わかりやすい解説

マエストゥ
まえすとぅ
Ramiro de Maeztu
(1874―1936)

スペインの作家、批評家。バスク系キューバ移民を父としスコットランド出身のイギリス外交官の娘を母とする裕福な家庭に生まれる。父の砂糖工場が経営不振に陥ったため、若くしてジャーナリズムの世界に飛び込み、「98年の世代」の一翼を担う。思想遍歴も多彩を極め、初めはニーチェ主義者、次にクロポトキン流のアナキストサンジカリスト、それから180度転向して超保守的な「スペイン運動」の指導的理論家となるが、スペイン内戦勃発(ぼっぱつ)の年、人民戦線側により銃殺刑に処せられた。代表作に『ドン・キホーテドン・ファン、ラ・セレスティーナ』(1926)、『スペイン精神の擁護』(1934)などがある。

[佐々木孝]

『吉田秀太郎訳・註『愛の象徴ドン・キホーテ』(1965・大学書林)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「マエストゥ」の意味・わかりやすい解説

マエストゥ
Maeztu y Whitney, Ramiro de

[生]1874.5.4. ビトリア
[没]1936.10.28/29. アラバカ
スペインの評論家。「1898年の世代」の一人評論『ドン・キホーテ,ドン・フアン,セレスティーナ』 Don Quijote,Don Juan y la Celestina (1926) ,『スペイン精神の擁護』 Defensa de la hispanidad (34) が有名。内乱共和派によって銃殺された。

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