改訂新版 世界大百科事典 「マエストゥ」の意味・わかりやすい解説
マエストゥ
Ramiro de Maeztu y Whitney
生没年:1875-1936
スペインの政治思想家。バスク人の父とイギリス人の母の間に生まれ,1891年からのキューバ時代にややアナーキスト的な社会主義,サンディカリスム思想を形成し,〈98年世代〉の中では最も急進的でニーチェの強い影響を受けていた。第1次大戦によって思想的危機を経験して,カトリシズムとスペインに回帰し,やがて自由主義に対する反動としての極右的な思想を深めていった。第二共和国下では超保守的右派グループ〈アクシオン・エスパニョーラ〉のリーダーとなり,《スペイン性の擁護》(1934)を著した。スペイン内乱の勃発後,逮捕,銃殺された。ほかに《ヒューマニズムの危機》(1919),《ドン・キホーテ,ドン・フアンとセレスティーナ》(1926)などがある。
執筆者:フアン・ソペーニャ
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報