マクダウェル(読み)まくだうぇる(英語表記)Edward Alexander MacDowell

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「マクダウェル」の意味・わかりやすい解説

マクダウェル
MacDowell, Edward (Alexander)

[生]1860.12.18. ニューヨーク,ニューヨーク
[没]1908.1.23. ニューヨーク,ニューヨーク
アメリカ合衆国の作曲家。ニューヨークでピアノを学び,1876年よりパリ音楽院,1878年よりフランクフルト音楽院に留学,続いてドイツに滞在し,1888年に帰国。翌1889年自作の『ピアノ協奏曲第2番』をニューヨークで演奏し名声を博した。1896~1904年はコロンビア大学音楽部の初代学部長を務めたが,大学当局と意見が合わずに辞任し,精神的過労のため悲劇的な晩年を送った。死後住居跡に夫人によりアメリカの作家,作曲家のための夏季の芸術村が建設された。作風ヨーロッパロマン派の伝統を継いでいるが,アメリカインディアンに取材した組曲インディアン』 (1892) などアメリカ独自の音楽も作曲した。

マクダウェル
McDowell, Ephraim

[生]1771.11.11. バージニア,ロックブリッジ
[没]1830.6.25. ダンビル
アメリカの外科医腹部外科の先駆者。エディンバラ大学医学を修め,1795年アメリカに帰り,ダンビルで開業。 1809年 12月に 47歳になる J.クロフォード夫人の約 9kgもある卵巣腫瘍の摘出に成功,夫人はその後三十余年間健康に過した。さらに2人の手術を行い,17年に成績を報告したが,この手術は従来不可能とされていただけに,多くの疑惑不信を買った。しかし,24年までに卵巣摘除術を 12例手がけ,死亡は1例のみであった。ほかにヘルニアや膀胱結石の手術でも好成績を収めている。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「マクダウェル」の意味・わかりやすい解説

マクダウェル(Ephraim McDowell)
まくだうぇる
Ephraim McDowell
(1771―1830)

開拓時代のアメリカで、世界で最初に卵巣腫瘍(しゅよう)の手術に成功した医師。生まれはバージニア州であるが、裁判官であった父とともに13歳のときにケンタッキーの小村に移住、19歳でバージニア州の医師に弟子入りし、3年間ほどしてエジンバラへ1年間留学したのち帰国して医業を営んだ。最初の卵巣腫瘍の手術は1809年で、その後8例に成功した。また結石手術にも巧みであった。

[中川米造]


マクダウェル(Edward Alexander MacDowell)
まくだうぇる
Edward Alexander MacDowell
(1861―1908)

アメリカの作曲家、ピアノ奏者、教育者。ニューヨークに生没。8歳のころからピアノを学び、16歳のときにヨーロッパへ渡る。パリ音楽院でマルモンテルにピアノを、フランクフルトでハイマンにピアノ、ラフに作曲を師事。1888年に帰国後、1896~1904年コロンビア大学初代音楽学部長を務めた。彼の音楽は保守的なロマン派様式に根ざし、とくにグリークからの影響が強い。彼自身リストに認められたピアノの名手であったため、『森のスケッチ』(作品51)などのピアノ曲に優れたものが多い。また管弦楽曲はたいてい標題をもち、組曲第2番『インディアン』(作品48)はインディアンの旋律を取り入れたことで知られている。

[寺本まり子]

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