翻訳|anemometer
風速を測定する器械。風速は空気の水平な流れの速さである。現在最も広く使用されている風速計は,3杯風速計と風車型風速計である。後者は風向計と組み合わせて風車型風向風速計として使用されている(〈風向計〉の項目を参照されたい)。3杯風速計の感部は三つの半球状の風杯を回転軸に垂直な面内で互いに120度の角度に放射状に取り付けたもので,風杯の回転の速さから風速を求めることができる。以前に用いられていた4杯のロビンソン風速計の風速と回転数の関係は,気流の乱れによって影響を受けるものであったが,3杯風速計では杯の縁に丸みをつけたこともあって,風速と回転数の関係が改善された。超音波風速計は,超音波が風上から風下に向かって一定距離を伝搬する時間とその逆向きのときの時間との差を測定することによって,風速を測定するものであり,きわめて弱い風も測定することができる。
→微風計
執筆者:清水 逸郎
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風速を測定する器械。原理的に違ったさまざまな風速計が考案され、使用されている。普及しているのは椀(わん)形と風車形である。椀(カップ)は風杯(ふうはい)とよばれる。昔からのロビンソン型四杯式よりも、縁(ビード)がついた三杯のほうが性能がよい。風車には矢車型のビラム式やアネモシネモと、プロペラのようなエーロベンやジル型などがある。そのほか、電熱線の風による冷却、音波の伝搬に対する風の影響を応用した風速計もある。ごく弱い風は普通の風速計で測るのはむずかしい。三杯やビラムで、微風の測定に適したものがつくられている。風速が同じであっても、測定器械の型によって風速値が一致しないことがある。自然の風は強さが絶えず変化し、これに追従する性能が異なるためである。また、風が吹き上げたり吹き下ろしたりすると、エーロベンのような水平回転軸の風車形は、椀形よりも小さい風速値を示す。
[篠原武次]
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