風速計(読み)ふうそくけい

日本大百科全書(ニッポニカ)「風速計」の解説

風速計
ふうそくけい

風速を測定する器械。原理的に違ったさまざまな風速計が考案され、使用されている。普及しているのは椀(わん)形と風車形である。椀(カップ)は風杯(ふうはい)とよばれる。昔からのロビンソン型四杯式よりも、縁(ビード)がついた三杯のほうが性能がよい。風車には矢車型のビラム式やアネモシネモと、プロペラのようなエーロベンやジル型などがある。そのほか、電熱線の風による冷却、音波の伝搬に対する風の影響を応用した風速計もある。ごく弱い風は普通の風速計で測るのはむずかしい。三杯やビラムで、微風の測定に適したものがつくられている。風速が同じであっても、測定器械の型によって風速値が一致しないことがある。自然の風は強さが絶えず変化し、これに追従する性能が異なるためである。また、風が吹き上げたり吹き下ろしたりすると、エーロベンのような水平回転軸の風車形は、椀形よりも小さい風速値を示す。

[篠原武次]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「風速計」の解説

風速計
ふうそくけい
wind gauge; anemometer

風速を測定する器械。1950年以前は風力計といった。測定方式の違いによって次の種類がある。(1) 物体に風があたったときの風圧を測定し,風速を求めるもの(→風圧型風速計)。ピトー管風速計,ダインズ自記風圧計があり,数秒程度以下の風速変化を記録することができるため最大瞬間風速等を求めるのに用いられる。(2) 風速に比例した回転速度をもつ回転体を利用したもの。三杯式風速計,四杯式風速計(→ロビンソン風速計),ビラム型微風計,風車型風速計があり,平均風速を測定するために広く使われる。(3) 熱せられた物体の風によって冷却される程度を測定して風速を求めるもの。熱線風速計があり,低い風速や非常に速く変化する風速の測定に適している。

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百科事典マイペディア「風速計」の解説

風速計【ふうそくけい】

風速を測る器械。風圧を測定して風速を求める方式のものが多い。回転体が風圧に比例する回転速度で回転するのを測る方式のロビンソン風速計(3〜4個の風杯をもつ),風車型風速計,風圧でおされる抵抗体の動きを測る風板風速計,制止風杯型風速計,風圧を導管によって測定場所に伝える方式のダインス風速計,風により加熱体の失う熱量が風速に比例するのを測る原理の熱線風速計,空気中の音波の伝搬速度が風速に依存することを利用した超音波風速計などがある。
→関連項目風向風速計流速計

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精選版 日本国語大辞典「風速計」の解説

ふうそく‐けい【風速計】

〘名〙 風速を測定する装置。回転体の回転速度を利用した風杯型・風車型、加熱体の冷却を利用した熱線風速計、超音波が大気を伝わる速度を利用した超音波風速計などがある。風速器。風力計。〔工学字彙(1886)〕

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世界大百科事典 第2版「風速計」の解説

ふうそくけい【風速計 anemometer】

風速を測定する器械。風速は空気の水平な流れの速さである。現在最も広く使用されている風速計は,3杯風速計と風車型風速計である。後者風向計と組み合わせて風車型風向風速計として使用されている(〈風向計〉の項目を参照されたい)。3杯風速計の感部は三つの半球状の風杯を回転軸に垂直な面内で互いに120度の角度放射状に取り付けたもので,風杯の回転の速さから風速を求めることができる。以前に用いられていた4杯のロビンソン風速計の風速と回転数の関係は,気流の乱れによって影響を受けるものであったが,3杯風速計では杯のに丸みをつけたこともあって,風速と回転数の関係が改善された。

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