改訂新版 世界大百科事典 「マディウン」の意味・わかりやすい解説
マディウン
Madiun
インドネシア,東ジャワ州の同名県の県都。人口17万0408(2003)。ラウ(3265m),リマン(2563m)の二つの火山の間を流れ,ソロ川に注ぐマディウン川が形づくる盆地の中央部に位置し,スラバヤとスラカルタ(ソロ),ジョクジャカルタを結ぶ鉄道・道路が通過する交通の要地でもある。12世紀から15世紀にかけてこの地方は,クディリ,シンガサリ,マジャパイトと続く東ジャワの諸王朝に,また17世紀からは中部ジャワのマタラム・イスラム王朝に服属したが,1830年以降オランダの直轄植民地に編入された。マディウン盆地の地形は平坦かつ広闊で,水田稲作が盛んに行われるとともに,19世紀中葉以降サトウキビの栽培も行われている。マディウンは,対オランダ独立戦争時の1948年に勃発した共産党の武力反乱事件(マディウン事件)の舞台としても知られる。
執筆者:加納 啓良
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報