ママコノシリヌグイ(読み)ままこのしりぬぐい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ママコノシリヌグイ」の意味・わかりやすい解説

ママコノシリヌグイ
ままこのしりぬぐい / 継子尻拭
[学] Persicaria senticosa (Meisn.) H.Gross
Polygonum senticosum (Meisn.) Fr. et Sav.

タデ科(APG分類:タデ科)の一年草。茎はつる状に伸びてよく分枝し、高さ1~2メートル。茎や葉柄には逆刺細毛があり、他物に巻き付く。葉は互生し、三角形で長さ3~6センチメートル、先は鋭くとがり、薄質で紅緑色を帯び、裏面の脈上にも逆刺がある。柄の基部に葉状の小托葉(たくよう)があり、茎を抱く。7~8月、小枝の先に小さな花を頭状に密集し、花被片(かひへん)は5枚で淡紅色。雄しべは8本、雌しべは1本。痩果(そうか)は球形黒色宿存萼(がく)に包まれる。日本、および朝鮮半島、中国に広く分布する。名は、逆刺のある茎が鋭く物に絡まる姿を継子(ままこ)いじめに例え、継子の尻(しり)を拭(ぬぐ)うことに見立てたものである。

[小林純子 2020年12月11日]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ママコノシリヌグイ」の意味・わかりやすい解説

ママコノシリヌグイ(継子の尻拭)
ママコノシリヌグイ
Persicaria senticosa(Polygonum senticosum)

タデ科の一年草。日本全土,東アジアに分布する。原野路傍水辺に生える。茎はつる状でよく分枝し長さ1~2m。全体に細毛があり,逆向きのとげで他のものにひっかかる。葉は三角形で先はとがり緑色。葉鞘は筒状で短い。6~10月頃,頭状に数個の小花がつく。花序の下に腺毛がある。5枚ある萼片は紅色,花弁はない。痩果は球形で3稜があり,黒色に熟する。

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