ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「マリヌス1世」の意味・わかりやすい解説
マリヌス1世
マリヌスいっせい
Marinus I
[没]884.5.15. ローマ
トスカナ出身の第108代教皇(在位 882~884)。助祭だったときに,教皇ハドリアヌス2世(在位 867~872)によって第4回コンスタンチノープル公会議(869~870)への特使として派遣された。この会議では,コンスタンチノープル総大主教のフォチオスが,ローマ教会と対立する東方の伝統的な教義を擁護したため追放された。教皇ヨハネス8世(在位 872~882)によりカエレの司祭に任じられ,さらにコンスタンチノープルに教皇大使として派遣され,フォチオス追放による東西教会の分裂の調停に努めた。ヨハネス8世が暗殺されると,882年12月に教皇に選出された。ローマ以外の教区の司教が教皇に選出されたのは初めて。ヨハネス8世が追放したポルトの司祭枢機卿(→カーディナル)フォルモスス(のちの教皇)を元の教区に復帰させた。
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