改訂新版 世界大百科事典 「マルガタゴミムシ」の意味・わかりやすい解説
マルガタゴミムシ
Amara chalcites
甲虫目ゴミムシ科の昆虫で,平地の草地などにふつうに見られる。黒色の体は,その名のように丸みがあり金銅色,または緑色の光沢がある。触角の基部から3節までと,4節の半分が赤色。胸部の背面基部には2対の縦のくぼみがあるが,外側のくぼみは浅い。体長8mm内外。日本各地のほか,朝鮮半島,中国にも広く分布する。越冬した成虫は3月ころから出現し,暖かい日中はよく飛翔(ひしよう)する。地表を歩き回ってナズナ,ハコベ,スズメノカタビラなど,各種の草の種子を食べるほか,ヨトウガ,メイガ,ハムシなどの幼虫,アリマキ,ウンカなども捕食する。4~5月ころ,土中へ産卵。幼虫も活発に歩いて昆虫を捕食する。土中へ潜って蛹化(ようか),夏には成虫となる。なお同科のコアオマルガタゴミムシ,コマルガタゴミムシ,キアシマルガタゴミムシなどのマルガタゴミムシ類,ゴミムシ,ヒメゴミムシ,コゴモクムシなどのゴモクムシ類も,成虫は植物質,動物質のものを食べる。
執筆者:林 長閑
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報