マルサラ(その他表記)Marsala

デジタル大辞泉 「マルサラ」の意味・読み・例文・類語

マルサラ(Marsala)

イタリア南部、シチリア島、シチリア自治州の港湾都市同島の最西端、リリベオ岬に近い。紀元前4世紀に古代カルタゴ人が築いた町に起源し、前3世紀に古代ローマの支配下に置かれた。デザートワイン一種マルサラ酒産地として知られる。

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改訂新版 世界大百科事典 「マルサラ」の意味・わかりやすい解説

マルサラ
Marsala

イタリア南部,シチリア州トラパニ県の都市。人口8万0760(1990)。シチリア島最西端の岬の上にある。紀元前4世紀にカルタゴによって建設されたが,現在名はアラブ起源である。18世紀後半ブドウ酒製造が普及してから,この都市の産するマルサラ酒の生産地および輸出港として知られるようになり,今日なおその経済はブドウ酒を中心に成立している。イタリア統一運動において,シチリア征服をめざすガリバルディの率いる千人隊が上陸した地点である。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「マルサラ」の意味・わかりやすい解説

マルサラ
Marsala

イタリア南西部,シチリア島西端のリリベア (ボエオ) 岬にある港湾都市。シチリア州トラパニ県に属する。前6世紀にカルタゴ人によって建設され,シチリア支配の最重要拠点となった。前 241年にローマ人に支配されてからは,カルタゴ遠征の基地。 1860年 G.ガリバルディが赤シャツ隊員 1000人を率いてここに上陸し,南部イタリア攻略の基地とした。現在マルサラワインの輸出港で,漁港としても知られる。アラブ色の強い町で,イスラム教モスク現存。人口7万 7218 (1991推計) 。

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世界大百科事典(旧版)内のマルサラの言及

【ブドウ酒(葡萄酒)】より

…強化ワインfortified wineは一般にアルコール分が16~20%と高く,糖分も多いものが多い。著名なものには,ポルトガルのポート(ポートワイン),マデイラ,スペインのシェリー,マラガ,シチリア島のマルサラ,キプロスのコマンダリアなどがある。以上の天然甘味ワイン,強化ワイン以外のデザートワインとしては,赤ワインをベースにオレンジやレモンの果汁を加えたスペインのサングリアや,白ワインに香草類を浸漬(しんし)したベルモットなどがある。…

※「マルサラ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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