ミズハコベ(その他表記)Callitriche verna; water starwort

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ミズハコベ」の意味・わかりやすい解説

ミズハコベ
Callitriche verna; water starwort

アワゴケ科一年草。日本全土,東アジア,ヨーロッパ,北アメリカに広く分布する。池,水田湿地など水中に生える。茎は細く,群生する。葉は対生し全縁で,水中葉は長さ 1cmほどの線形でただ1本の脈があり,水上葉は長楕円形で3本の脈をもつ。雌雄同株で,5~11月に,葉腋白色の小さい花をつける。萼と花弁はなく雄花はおしべ1本,雌花はめしべ1本だけがあり,どちらも1対の包葉に抱かれている。果実は扁平な楕円形で先はへこみ,縁に少し翼が出る。全体がミゾハコベに似ているが果実が球形でないことで区別できる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ミズハコベ」の意味・わかりやすい解説

ミズハコベ
みずはこべ / 水蘩蔞
[学] Callitriche palustris L.

アワゴケ科(APG分類:オオバコ科)の一年草。茎は軟弱で長さ10~20センチメートル。葉は対生し、線形またはへら状倒卵形で長さ0.5~1センチメートル、幅1~5ミリメートル。初夏から秋、葉腋(ようえき)ごとに小花を1個開く。雄花は2枚の包葉と1本の雄しべ、雌花は2枚の包葉と1本の雌しべからなる。日本、および北半球温帯に広く分布する。名は、水湿地に生え、ハコベを思わせることによるが、ナデシコ科のハコベとはまったく関係がない。

山崎 敬 2021年8月20日]

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世界大百科事典(旧版)内のミズハコベの言及

【アワゴケ】より

…コロニーをつくって生育している状態を,“泡立っている”ことに見立ててアワゴケ(泡苔)の名がついた。 アワゴケ科Callitrichaceaeはアワゴケ属1属から成り,多年生で水田雑草になったり,沼地などにも生じる水草であるミズハコベC.fallax Petrovが日本に分布する。しかし全種数は20種あまりの小さな植物群で,系統的な類縁はよくわかっていない。…

※「ミズハコベ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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