改訂新版 世界大百科事典 「ミゾラム」の意味・わかりやすい解説
ミゾラム[州]
Mizoram
インド北東端の州。面積2万1000km2,人口89万(2001)。州都はアイザウルAizawl。アラカン山脈の北端部にあたるミゾ丘陵を構成する諸山地が南北走して,ほぼ全域を覆い,その間を数条の狭長な谷底平野が延びる。丘陵はほぼ標高150~900mで,最高所でも1600mほどである。年降水量2500mm以上の多雨地帯で,丘陵中央部では4000mmを超える。山地斜面は常緑広葉樹および竹に覆われている。住民はルシャイLushai族を主とし,そのほかパネイ,チャクマ,リアン族などが居住し,いずれもシナ・チベット語族のチベット・ビルマ語派に属する言語を話す。彼らはキリスト教化された農耕民で,谷底平野では棚田や棚畑を造成して定着農業を,山地部の森林では焼畑農業を営む。主要作物は米,トウモロコシ,豆などである。工業はパルプ工業の設立が計画されているが,織布などの手工業,製材,家具などに限られている。1886年の第3次ビルマ戦争後に英領となり,インド独立後はアッサム州に編入された。1972年連邦直轄地として自治権が与えられ,86年州に昇格した。
執筆者:応地 利明
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報