日本大百科全書(ニッポニカ) 「メニューイン」の意味・わかりやすい解説
メニューイン
めにゅーいん
Yehudi Menuhin
(1916―1999)
アメリカのバイオリン奏者、指揮者。ニューヨーク生まれ。ルイス・パーシンガーに師事、1924年サンフランシスコ交響楽団と協演して注目され、以来「神童」として喧伝(けんでん)された。27年パリ・デビューののち、同地でルーマニアの名バイオリン奏者エネスコに師事。29年から本格的な演奏活動を開始した。第二次世界大戦後、一時技術的な不調に陥ったが、バース音楽祭、ウィンザー音楽祭、メニューイン音楽祭などを主宰、また指揮にも手を染めるなど幅広く活躍、精神的な深さと強さを加えたことが独奏活動復帰につながった。59年からアメリカを離れ、ロンドンを本拠に活動。85年に英国籍を取得。1951年(昭和26)に初来日して以来、数回にわたって日本を訪れた。
[岩井宏之]
『岸本完司訳『メニューイン ヴァイオリンを愛する友へ』(1987・音楽之友社)』▽『服部成三郎・服部豊子訳『メニューイン ヴァイオリン奏法』(1976・音楽之友社)』