イギリスの作家、劇作家、推理作家。演劇俳優から作家に転じ、1902年ごろから歴史、冒険小説の執筆を始め、1902年に彼の最高傑作『四枚の羽根』を発表した。旅行、船、登山、クリケットをたしなみ、国会議員当選歴もあり、第一次世界大戦中にはイギリス海軍民間情報員をするなどエネルギッシュに活動するなかで『被告側の証人』(1910。公開は1919)などの脚本を書いてヒットさせ、推理小説でもフランス人探偵アノーHannaudの登場する『バラ荘』(1910)、『矢の家』(1924)などを発表した。綿密な論理と心理分析の推理法が文学性の高い筆致で展開され、名作の名が高い。
[梶 龍雄]