やぎ座(読み)やぎざ

改訂新版 世界大百科事典 「やぎ座」の意味・わかりやすい解説

やぎ(山羊)座 (やぎざ)
Capricornus

略号はCap。黄道星座の一つ。大きな天域に2等以下の暗い星が逆三角形の星座の主体をつくる。ヤギの角とあごひげをもった牧羊神パンが川のほとりで怪物テュフォンに襲われ,川の中に逃げこむときに,下半身のみが魚に化身した姿であるという。南回帰線のことをやぎ座の回帰線tropic of Capricornというのは,バビロニア時代にはこの星座に冬至点があった(現在はいて座)ことによる。概略位置は赤経20h50m,赤緯-20°。午後8時の南中は9月下旬である。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「やぎ座」の意味・わかりやすい解説

やぎ座
やぎざ / 山羊座

秋の宵の南の空に見える星座。黄道十二星座の一つで、磨羯宮(まかつきゅう)。2等星が2個あるほかは星が暗く、少々みつけにくいが、全体に逆三角形をした姿は見慣れてしまえば案外わかりやすい。かつてはこの星座に冬至点があり、古くから重要な星座とみられていた。その名残(なごり)で冬至点を表す語に「やぎ」の語が使われる場合があり、たとえば英語ではthe Tropic of Capricorn (Capricornはやぎ座のこと)などと言い表す。ただし、現在の冬至点は西隣のいて座に移っている。ギリシア神話では、怪物ティフォンに襲われた牧神パンがナイル川に飛び込んで逃げたとき、水につかった部分が魚になったためこんな姿になったとされる。M30は球状星団で、小望遠鏡で見ることができる。

[藤井 旭]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「やぎ座」の意味・わかりやすい解説

やぎ座
やぎざ
Capricornus

山羊座。いて座とみずがめ座の間,赤経約 21時,赤緯-20°にある黄道十二宮の第 10座目の星座。9月の宵に南中する。3等以下の暗い星ばかりで,全体の形は逆三角形。星図にはしばしば頭部がやぎで尾部が魚の奇妙な形が描かれている。ギリシア神話によると,森の神パンが怪物テュフォンから逃げるためにあわててやぎに化け,水中に飛込んだので水中の部分だけが魚になった。

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百科事典マイペディア 「やぎ座」の意味・わかりやすい解説

やぎ(山羊)座【やぎざ】

9月下旬の夕方,南の中天に見える星座。十二宮中の第10宮。魚の尾をもつヤギで,ギリシア神話でパンの神が魚に化けそこねた姿という。

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