日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヤクシマルリシジミ」の意味・わかりやすい解説
ヤクシマルリシジミ
やくしまるりしじみ / 屋久島瑠璃小灰蝶
common hedge blue
[学] Celastrina puspa
昆虫綱鱗翅(りんし)目シジミチョウ科に属するチョウ。日本では本州(紀伊半島中南部)、四国(高知県南部海岸地域)、九州(南部)より南西諸島にわたり分布。国外では台湾、中国南部より西はインド、東はニューギニア南東海上のアルー諸島、ケイ諸島にわたって東洋熱帯に分布が広い。はねの開張は27ミリメートル内外。普通のルリシジミに似ているが、雄のはねの表の黒縁は幅広く、はねの裏の黒点斑(はん)は強い。和名は、このチョウが屋久(やく)島で最初に発見されたことによる。南九州では3~11月にわたってみられるが、夏から秋に多く、春には少ない。幼虫はバラ科、トウダイグサ科、マンサク科、ツツジ科、ブナ科、ヤマモモ科など多岐にわたる科の植物の新芽、花蕾(からい)などを食べる。
[白水 隆]