ルリシジミ(読み)るりしじみ(英語表記)holly blue

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ルリシジミ」の意味・わかりやすい解説

ルリシジミ
るりしじみ / 瑠璃小灰蝶
holly blue
azure blue
hedge blue
[学] Celastrina argiolus

昆虫綱鱗翅(りんし)目シジミチョウ科に属するチョウ。北海道より九州にわたり各地に普通にみられ、日本ではシジミチョウ科のもっとも普通の種。しかし、吐噶喇(とから)列島以南の南西諸島には分布しない。国外では極東アジアからヨーロッパまでのユーラシア大陸、および北アメリカに広く分布する。はねの開張は27~33ミリメートル程度。雄のはねの表は淡い瑠璃(るり)色で、黒い縁どりは細く線状であるが、雌は黒色の縁どりが拡大し、黒化の強い夏生の雌では後ろばねは一様に黒褐色となる。はねの裏は雌雄同様で、白色ないし灰白色の地に黒褐色の小斑点(はんてん)がある。春季もっとも早くから現れる種の一つで、日本西南部では第1化の春型は3月中・下旬から、第2化は5月下旬から6月上旬より、以後引き続き発生を繰り返して秋季に及ぶ。幼虫のおもな食草は各種のマメ科植物の花蕾(からい)・新葉であるが、ときにバラ科、タデ科、ミズキ科、ミツバウツギ科、ヒルガオ科、ブナ科、ミカン科、シソ科などでも幼虫が成育することが知られている。蛹(さなぎ)の状態で冬を越す。

白水 隆]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ルリシジミ」の意味・わかりやすい解説

ルリシジミ
Celastrina argiolus

鱗翅目シジミチョウ科。前翅長 16mm内外。翅表は雄では全面青藍色であるが,雌では外縁部が広く黒褐色である。裏面は灰白色で,小黒色斑が散在する。成虫は春から晩秋まで連続的に出現する。幼虫はフジクズクララニセアカシアなどのマメ科植物の花やつぼみを食べるほか,その他のいくつかの科に属する植物も食べることが知られている。北海道,本州,四国,九州に産する普通種で,ユーラシア大陸,アフリカ北部に広く分布する。日本産は亜種 C. a. ladonidesという。

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