ユスキュダル(その他表記)Üsküdar

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ユスキュダル」の意味・わかりやすい解説

ユスキュダル
Üsküdar

トルコのアジア側の陸地の西北端,大イスタンブール(→イスタンブール)の 5地区の一つ。古代ではクリュソポリスと呼ばれた。ボスポラス海峡を挟んでイスタンブールに対している。14世紀にはオスマン帝国領となり,アジア側の領土に対する攻勢拠点とされ,また 19世紀末のアナトリア鉄道敷設までは,シリアやアジア諸国からの隊商の道の終着地であった。市内には 1548年に建築家ミマール・シナンによって建てられたモスクセリム3世の大兵営,クリミア戦争フローレンスナイチンゲール活躍した病院などがあり,典型的なトルコ風の町並みである。共同墓地にはクリミア戦争で戦死したイギリス兵 8000人の墓もある。南端にイスタンブール-バグダード鉄道始発駅がある。イスタンブール地区とはフェリー,ベイオール地区とはボスポラス海峡橋で結ばれる。人口 40万1398(1990推計)。

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改訂新版 世界大百科事典 「ユスキュダル」の意味・わかりやすい解説

ユスキュダル
Üsküdar

トルコ西部,アナトリア西端にある都市。旧名スクタリScutari。ボスポラス海峡を隔ててイスタンブールと相対し,現在は行政的にはイスタンブールの一地区に含まれる。人口39万6000(1990)。古くはギリシア植民市で,クリュソポリスChrysopolisの名で知られた。風光にすぐれ,商工業活動が盛ん。アナトリアを横断する鉄道(かつてのバグダード鉄道)の起点駅ハイダル・パシャ駅がある。クリミア戦争のときイギリス軍の基地が置かれ,ナイチンゲールが指揮した陸軍野戦病院が残っている。
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百科事典マイペディア 「ユスキュダル」の意味・わかりやすい解説

ユスキュダル

トルコ北西部の都市。行政的にはイスタンブールの一地区。旧名スクタリ。イスタンブールのアジア側にあり,ボスポラス海峡を隔ててヨーロッパ側のイスタンブール,ベオールー地区に対し,商業・製造業地区となっている。南端にバグダード鉄道の始発駅ハイダル・パシャがある。ヨーロッパ側と1973年完成のボスポラス大橋で結ばれる。クリミア戦争の時英軍基地となり,ナイチンゲールなどがここの病院で活躍。
→関連項目スクタリ

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