ウシ,ヒツジおよびヤギがかかる特徴的な伝染性腸炎で,きわめてがんこな慢性の下痢を主たる症状とし,泌乳中のウシでは乳量の急激な低下,貧血,体重減少などの症状を示す。原因菌はMycobacterium paratuberculosis(=M.johnei)で結核菌と同様抗酸性である。本菌は牧野などに自然のまま放置された糞便(ふんべん)中で200~300日も生存する。野外における伝播(でんぱ)は,感染動物の糞便で汚染された飲水や飼料を摂取した場合に起こる。ヨーネ病はヤギ,ヒツジに比較してウシへの感染が多い。原因菌はウシの小腸の粘膜で増殖し,次いで腸間膜リンパ節にも及ぶ。成牛では病巣は広い範囲におよぶが,症状は子牛ほど重くない。ウシでは2歳齢以内ではあまり症状を示すことはなく,2~6歳で現れる。診断は補体結合反応や蛍光抗体法を組合せて行われるが,ヨーニン(原因菌抽出物)を用いた皮内反応も行われている。糞便からの細菌の分離も有効な診断法である。予防は汚染地からの導入を防ぐことが最も重要である。
執筆者:本好 茂一
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