ランシング(その他表記)Lansing

翻訳|Lansing

デジタル大辞泉 「ランシング」の意味・読み・例文・類語

ランシング(Lansing)

米国ミシガン州南部の都市。同州の州都グランド川とレッドシーダー川合流点に位置する。農業機械自動車などの製造業により発展。近郊のイーストランシングにミシガン州立大学が所在。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「ランシング」の意味・わかりやすい解説

ランシング
Lansing

アメリカ合衆国ミシガン州南部にある同州の州都。人口11万5518(2005)。グランド川,レッド・シーダー川,シカモア川の合流点にある。農業地帯における商業・金融の中心地で,自動車関連産業や農業機械,食品加工業の立地する工業都市でもある。1847年デトロイトに代わって州都。71年鉄道の開通以後工業化が進み,馬車や車輪製造の中心地となった。1900年ごろまでには,R.E.オールズによって二つの自動車工場が経営されていた。市名は最初の入植者たちの出身地であるニューヨーク州の村名に由来する。郊外のイースト・ランシングはミシガン州立大学の所在地。
執筆者:


ランシング
Robert Lansing
生没年:1864-1928

アメリカの政治家ニューヨーク州生れ。アマースト大学卒業。国際法弁護士としてベーリング海国際紛争やアラスカ国境問題で政府法律顧問を務め,1914年ウィルソン大統領の下で国務省顧問となり,15年国務長官に就任。17年,中国における日本の権益をめぐって石井=ランシング協定を結び,日米間の妥協を図る。20年,パリ講和会議で大統領と対立し辞任。アイゼンハワー政権の国務長官J.F.ダレスは甥に当たる。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ランシング」の意味・わかりやすい解説

ランシング(Robert Lansing)
らんしんぐ
Robert Lansing
(1864―1928)

アメリカの法律家、政治家。ニューヨーク州出身。アマースト大学卒業後、国際法の専門家として著名となり、ベーリング海問題、アラスカ国境問題、北太平洋漁業問題等の対外交渉に政府の法律顧問として活躍。その後1915年ウィルソン政権の国務長官に就任した。17年初めの第一次世界大戦参戦にあたっては、連合国側にたっての参戦をウィルソンに強く説いた。しかし19年、ベルサイユ会議で連合国とのより現実的な交渉を主張してウィルソンと対立し、20年辞任した。なお参戦後の17年11月、日本の中国進出を抑止すべく、石井‐ランシング協定を締結した。

[紀平英作]


ランシング(アメリカ合衆国)
らんしんぐ
Lansing

アメリカ合衆国、ミシガン州南部の都市で、同州の州都。グランド川、レッド・シーダー川、シカモア川3河川の合流地点に位置する。人口11万9128(2000)。周辺は農業地帯が広がるが、交通網の発達した商工業の中心地であり、とくに自動車工業都市の一つとして広く知られる。大小の自動車関連工場が多く集まるほか、農機具、化学工業などほかの工業の進出もみられる。また、農産物の取引地としても重要である。1837年に入植が始まり、47年には州都となり、59年より市制が施行された。1897年に自動車工業がおこり、急速な工業化の契機となった。

[作野和世]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ランシング」の意味・わかりやすい解説

ランシング
Lansing, Robert

[生]1864.10.17. アメリカ,ニューヨーク,ウォータータウン
[没]1928.10.30. アメリカ,ワシントンD.C.
アメリカの政治家,国際法学者。 1892~93年ベーリング海仲裁裁判の法律顧問となったのをはじめ,数々の国際問題でアメリカ政府の顧問をつとめた。 1914年国務省顧問,15年国務長官となって活躍。 17年 11月日本の石井菊次郎特派大使との間に,日本人のアメリカ移民問題,および対中国問題について石井=ランシング協定を締結。 20年パリ講和会議への姿勢,および国際連盟規約をめぐって W.ウィルソンと対立して辞任。著書『和平交渉』 The Peace Negotiations (1921) ,『パリ講和会議における四巨頭』 The Big Four and Others at the Peace Conference (21) など。

ランシング
Lansing

アメリカ合衆国,ミシガン州の州都。デトロイトの西北西 136km,グランド川に面する。 1847年州政府がデトロイトから移されたときは,荒地であった。 59年市制。 19世紀末には農機具用の小型スチームエンジンの製造の中心地として発達。オールドモーターワーク会社,レオモーターカー会社が設立され,自動車工業の中心となり,ディーゼルエンジン,起重機,ポンプなどの関連工業が立地する。付近のイーストランシングにミシガン州立大学 (1855創立) がある。人口 11万4297(2010)。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

百科事典マイペディア 「ランシング」の意味・わかりやすい解説

ランシング

米国,ミシガン州南部の工業都市で,州都。19世紀後半から車両製造が盛んになり,20世紀以降自動車工業が発達。ほかに工作機械,プラスチック製品,自動車部品などの工業がある。ミシガン中部の金融・保険の中心地でもある。11万4297人(2010)。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

旺文社日本史事典 三訂版 「ランシング」の解説

ランシング
Robert Lansing

1864〜1928
アメリカの政治家
1915年国務長官となり,'17年石井‐ランシング協定を締結した。

出典 旺文社日本史事典 三訂版旺文社日本史事典 三訂版について 情報

世界大百科事典(旧版)内のランシングの言及

【石井=ランシング協定】より

二十一ヵ条要求など第1次大戦中の日本の中国侵略に不安をもったアメリカは,1917年の対独参戦を機に日本からの特使派遣を要請し,日本は前外相石井菊次郎を特使として派遣した。同年9月,石井は国務長官R.ランシングと交渉を開始,日本の中国における特殊地位を強調した。これに対してランシングは日本の行動を抑制するため,中国での勢力圏の撤廃と領土保全,機会均等について宣言することを求めた。…

※「ランシング」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android