ランベス会議(読み)らんべすかいぎ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ランベス会議」の意味・わかりやすい解説

ランベス会議
らんべすかいぎ

全世界の聖公会教会議。10年ごとにロンドンのランベスLambeth宮殿においてカンタベリー大主教議長として開催される。第1回は1867年に大主教ロングリーCharles Thomas Longley(1794―1868)の招聘(しょうへい)の下に76人の主教によって開かれた。最近では、1998年に第13回の会議が開かれ、およそ750人の主教が参加した。おもに教会の問題が協議され、決議を発表する。各国の聖公会に対し法的権威をもつものではないが、世界の聖公会の一致のうえに大きな貢献をしている。

[曽根暁彦]

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改訂新版 世界大百科事典 「ランベス会議」の意味・わかりやすい解説

ランベス会議 (ランベスかいぎ)

英国国教会を母教会とする全世界のアングリカン・チャーチ(聖公会)の主教たちによる協議会。カンタベリー大主教が招集者ならびに議長となり,10年に1度,ロンドンの大主教公邸(ランベスLambeth宮)を会場として開催される。世界各地に英国国教会の枝が独立管区として確立するとともに,聖公会全体の一体性を強化する必要が強まったため,1867年,カンタベリー大主教ロングリーCharles Thomas Longleyの招請により,76人の主教が集まって,第1回の会議を開いた。正確には協議会であるため,会議の決定は各管区に対して法的拘束力はもたないが,信仰の一致と継続性を象徴する主教たちの合意として,大きな道義的影響力をもち,とくに教会合同運動促進に貢献してきた。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ランベス会議」の意味・わかりやすい解説

ランベス会議
ランベスかいぎ
Lambeth conferences

カンタベリー大主教をホスト兼座長として,ほぼ 10年ごとに,大主教のロンドンの屋敷,ランベス館で開催されるアングリカン・コミュニオンの主教たちの会議。第1回会議はカナダ聖公会の要求で 1867年開催。その後常設委員会,布教諮問委員会,執行担当主教などを順次設置。会議は単なる主教たちの意思調整機関で,回状の形で発表される決定事項も,各個別教会の教会会議が採択しない場合は法的拘束力はもたないが,近年重要性を増している。

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世界大百科事典(旧版)内のランベス会議の言及

【教会合同】より

…これが近代のエキュメニズムの第一歩とされる。なおそれ以前にも聖公会がランベス会議(1888)で教会合同のための〈ランベス四綱領〉を発表している。エジンバラ会議の結果,常設の機関として国際宣教協議会(1921),生活と実践委員会(1925),信仰と職制委員会(1927)が成立した。…

※「ランベス会議」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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