リアーゼ(読み)りあーぜ(英語表記)lyase

日本大百科全書(ニッポニカ) 「リアーゼ」の意味・わかりやすい解説

リアーゼ
りあーぜ
lyase

基質(酵素の作用を受けて化学反応をおこす物質)から非加水分解的にある基を取り去って二重結合を残すか、または逆反応によって二重結合部分に基を付加する反応を触媒する酵素の総称で、脱離酵素、付加酵素ともいう。酵素の分類では4群に属する。合成反応が主要な場合には合成酵素シンターゼ)とよぶ(ATPアデノシン三リン酸の加水分解を伴う合成反応を触媒する酵素は酵素分類では6群に属し、シンテターゼとよぶ)。グルタミン酸脱炭酸酵素やピルビン酸脱炭酸酵素など各種のアミノ酸脱炭酸酵素、フルクトース1,6-二リン酸からD-グリセルアルデヒド3-リン酸とジヒドロキシアセトンリン酸を生ずるアルドラーゼTCA回路の出発点で働くクエン酸シンターゼなどがある。

[笠井献一]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「リアーゼ」の意味・わかりやすい解説

リアーゼ
lyase

分解酵素の意で,国際酵素規約の分類法による第4群に属する酵素の総称。 A⇔B+C の形で,基質Aから一部分Cを離脱させ,あとに二重結合を含む産物Bを生じる反応,またその逆反応を行う。炭酸と無水炭酸 (二酸化炭素) とを,相互に可逆的に変える炭酸脱水素酵素や,L-リンゴ酸から水分子を取去ってフマル酸にするフマラーゼなどがよく知られる。

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