出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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フマル酸
ふまるさん
fumaric acid
不飽和ジカルボン酸の一つ。マレイン酸の幾何異性体である。化学式C4H4O4、分子量116.1。一つの二重結合に二つのカルボキシ基-COOHをもつ化合物のうち、二重結合の反対側(トランスtrans)に二つのカルボキシ基をもつのがフマル酸、同じ側(シスcis)に二つのカルボキシ基をもつのがマレイン酸で、両者は幾何異性体の関係にある。

天然には、アイスランド産のコケや菌類中に遊離の酸の形で存在し、動物体内での物質代謝サイクルの一員としても重要である。
フマル酸発酵により得られるが、マレイン酸の異性化により製造することもできる。融点300~302℃(封管中)、昇華性がある無色の結晶。水、エタノール(エチルアルコール)には溶けるが、エーテルには溶けにくく、ベンゼンには溶けない。高温に保つと無水マレイン酸に変化する。合成樹脂や染料の原料として用いられる。
[廣田 穰 2015年7月21日]
フマル酸(データノート)
ふまるさんでーたのーと
フマル酸

分子式 C4H4O4
分子量 116.1
融点 300~302℃(封管中。無水マレイン酸に分解)
沸点 (昇華)
密度 1.63
解離定数 K1=9.3×10-4
K2=2.9×10-5
溶解度 0.63g/100mL水(測定温度25℃)
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
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フマル酸
フマルサン
fumaric acid
(E)-2-butenedioic acid.C4H4O4(116.07).不飽和の二塩基酸.いろいろな植物中に含まれる.生化学的には,トリカルボン酸サイクルの一員として,コハク酸の脱水素反応により生じる重要な代謝中間体.シス形のマレイン酸と幾何異性の関係にある.マレイン酸の異性化あるいはグリオキシル酸とマロン酸との縮合によって得られる.また工業的には,グルコースのフマル酸発酵によってつくられる.
無色の針状結晶.融点287 ℃(封管中).200 ℃ で昇華する.密度1.625 g cm-3.K1 9.3×10-4,K2 10-5(25 ℃).水,エタノールに可溶,エーテル,アセトンに難溶,ベンゼンに不溶.230 ℃ で異性化脱水して無水マレイン酸になる.生体内では,水を付加したリンゴ酸やアンモニアを付加したアスパラギン酸の原料となっている.食品添加物,抗酸剤,合成樹脂や染料の原料に用いられる.[CAS 110-17-8]
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
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フマル酸
フマルさん
fumaric acid
トランス-1,2-エチレンジカルボン酸のこと。不飽和二塩基酸で,マレイン酸の幾何異性体。無色柱状晶または針状晶。融点 300~302℃ (封管中) 。封管中,水と 150~170℃に熱するとマレイン酸となる。水に難溶,種々の植物中に存在する。生化学的にはクエン酸サイクルや C4 -ジカルボン酸サイクルに関与し,アンモニウムイオンの存在では,アスパルターゼの作用でL-アスパラギン酸に変化するなど,重要な物質である。次の構造をもつ。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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フマル酸【フマルさん】
最も簡単な不飽和ジカルボン酸C4H4O4。無色の結晶。融点300〜302℃(封管中)。水に微溶,エタノールに可溶。マレイン酸の幾何異性体にあたる。生体内では,糖などの代謝に重要なクエン酸回路の中間体として,コハク酸の脱水素反応で生ずる。(図)
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
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フマル酸
C4H4O4 (mw116.07).

クエン酸回路の構成成分.
出典 朝倉書店栄養・生化学辞典について 情報
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