改訂新版 世界大百科事典 「アゲシラオス」の意味・わかりやすい解説
アゲシラオス
Agēsilaos
生没年:前444か443-前366か365
スパルタ王。在位,前399-前366か365年。父はアルキダモス2世。リュサンドロスの力で王位についた。前396年ギリシア諸市をペルシアから解放するため,小アジアに遠征して武勲を挙げたが,決定的な勝利には至らなかった。翌年に勃発したコリントス戦争では,コロネイアにコリントス同盟軍を破った。アンタルキダス条約成立後,彼はこれをスパルタに都合よく解釈してマンティネイアやフィリオスに寡頭制を樹立し,フォイビダスによるテーバイ占領を許容した。前379年にはオリュントスを陥れ,スパルタを覇権の絶頂に導いたが,この政策はアテナイとテーバイを結ばせた。さらに彼は和平会議の席上テーバイが全ボイオティアを代表することを許さず,その結果前371年レウクトラの戦での破局を招いた。その後2度エパメイノンダスのラコニア侵入を退けた。覇権喪失後は軍資金獲得のために,2度傭兵隊長として国外に出たが,エジプトからの帰路老齢で死亡した。
執筆者:古山 正人
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報