ドイツ南部、オーストリアとの国境に近いバイエルン州のガルミッシュパルテンキルヒェン(Garmisch-Partenkirchen)やフュッセン(Füssen)の近くにある、オーバーアマガウ(Oberammergau)の村の郊外約13kmにある宮殿。オーバーアマガウの駅前からバスが運行している。この宮殿は、バイエルン王国の若き国王ルートヴィヒ2世(1845~1886年)が建設した3つの城のうちの一つである。ノイシュヴァンシュタイン城、ヘレンキームゼー城は未完成のまま終わったが、この宮殿は唯一完成した。ベルサイユ宮殿内のトリアノン宮殿を手本に1874年に着工し、1878年に完成した、フランスロココ様式の宮殿で、建物内部は豪華なロココ様式の装飾が施され、ルイ14世、ルイ15世、ポンパドゥール夫人やマリー・アントワネットの像が置かれている。45万m2の広大な敷地の中にある庭園には、金色の女神像の噴水やイスラム風の東屋、ワーグナー(Wilhelm Richard Wagner、1813~1883年)に心酔していたルートヴィヒ2世が歌曲「タンホイザー」の世界に浸ったヴィーナスの洞窟(人工の鍾乳洞)などがある。近くにはバロック様式のエッタール修道院がある。