リードバック(その他表記)reedbuck
Redunca arundinum

改訂新版 世界大百科事典 「リードバック」の意味・わかりやすい解説

リードバック
reedbuck
Redunca arundinum

偶蹄目ウシ科の哺乳類。細長い四肢をもった中型の優美なアンテロープ。首も細い。雄のみにある角は,長さ20~25cmと,中型のアンテロープとしては小さく,斜め後方にのびたあと,半ばから前方に向かってのびる。体色は全体に明るい黄褐色。幅広く丸い耳の内側と腹面は白色体長120~160cm,肩高65~105cm,尾長18~30cm,体重50~95kg。アフリカのガボンタンザニアから南アフリカにかけて分布。ふつう水辺近くの草原あるいはまばらに木の生えた起伏にとむ草原に,単独あるいは雌雄のつがいですむ。ときに家族群をつくるが,15頭を超えることは少ない。水には入らず,おもに朝夕,夜間も活動して,草の葉,若い茎を食べる。1産1子。出産はおもに12~5月にかけて行われる。子は約2ヵ月間茂みなどに潜んで過ごすが,その間雌は1日に10~30分ほど授乳に訪れる。
レイヨウ
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「リードバック」の意味・わかりやすい解説

リードバック
りーどばっく
reedbuck
[学] Redunca arundinum

哺乳(ほにゅう)綱偶蹄(ぐうてい)目ウシ科の動物。アフリカ南部に広く分布し、川や湖沼などの水辺の草原に生息する。肩高80~105センチメートル、体重55~75キログラム。角(つの)は雄だけにあり、長さ38センチメートルほどに達する。単独かつがいで生活し、おもに草を食べる。涼しい時間によく活動し、日中は暑さを避けて葦原(あしはら)や草むらに潜む。一年中子がみられ、1産1~2子。子の体毛は羊毛状で柔らかい。子は走ることができるようになるまで、雌親が採食に出かけている間は草地に潜んで過ごす。

[今泉忠明]


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小学館の図鑑NEO[新版]動物 「リードバック」の解説

リードバック
学名:Redunca arundinum

種名 / リードバック
科名 / ウシ科
解説 / 20~50頭の群れで生活します。天敵が近づくと、口ぶえのような声を出し、高くジャンプしてにげます。
体長 / 1.3~1.7m/肩高80~97cm
体重 / 40~80kg
食物 / 草、水辺の草
分布 / アフリカ南部の湿地のあるサバンナ、アシ原

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世界大百科事典(旧版)内のリードバックの言及

【レイヨウ(羚羊)】より

…大きな2個のひづめは皮でつながる。すべてアフリカ産で,鼻先がサイガのようにふくれるリーボックPelea capreolus,水辺の草原にすむリードバックRedunca arundinum,水によく入るウォーターバックKobus ellipsiprymnusなど3属10種がある。(5)インパラ亜科Aepycerotinae 中型で角は雄にだけあり,細長く,前から見ると幅広の竪琴形。…

【レイヨウ(羚羊)】より

…アフリカからアラビアの乾燥地帯に分布し,絶滅が心配されているアラビアオリックスOryx leucoryxなどのオリックス属,古代エジプト人によって半家畜として飼育されたことのあるアダックスAddax nasomaculatus,もっともみごとなレイヨウといわれるセーブルアンテロープHippotragus nigerなど3属7種がある。(4)リードバック亜科Reduncinae 中型ないし大型で,角は雌になく,尾は中位の長さで先端の房毛はふつうない。大きな2個のひづめは皮でつながる。…

※「リードバック」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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