ロシアの画家ラリオノフが20世紀の初めに提唱した絵画理論。ロシア語ではルチズムЛучизмで、光線を意味するルチから生まれた用語。光線主義。主としてラリオノフとその夫人ゴンチャロバがこの理論を実践したが、その主張するところは、絵画を純粋化していけば究極のところ光線を描くことになるとして、画面を光線の交錯によって構成するものである。それはまた色彩のハーモニーとリズムとの関係をとらえることにも通じ、20世紀における抽象絵画の先駆的な仕事でもあった。しかし、ロシアにおいては、ラリオノフが1915年に西側へ去ったこともあり、この絵画理論は発展されなかった。西欧においても、この理念は抽象絵画のなかに吸収されて、それ自体としては継承されず、この用語はロシア前衛絵画史のなかに名をとどめているにすぎない。
[木村 浩]
《料理されるためにまないたにのせられた魚の意から》相手のなすに任せるより方法のない運命のたとえ。まないたの鯉こい。[類語]俎板まないたの鯉こい・薬缶やかんで茹ゆでた蛸たこのよう・手も足も出ない...