ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ロアイエ=コラール」の意味・わかりやすい解説
ロアイエ=コラール
Royer-Collard, Pierre-Paul
[没]1845.9.4. ロアールエシェール,シャトービュー
フランスの政治家,哲学者。フランス革命中の 1790年にパリのコミューン書記に選ばれたのをはじめ,97年マルヌ党から五百人議会に出,1815~42年下院議員をつとめた。穏健な革命派で,自由主義的正統王朝派に属し,ルイ 18世の信任を得た。 19世紀初頭の約 10年間に哲学者として活動し,11~14年ソルボンヌの哲学史教授をつとめた。 T.リードに準拠して知覚の哲学を展開し,判断における精神の働きを強調して É.コンディヤックの感覚論を批判するとともに,独我論に陥るのを救うものとして常識をおいた。スコットランド哲学 (→常識哲学 ) の導入で弟子 V.クーザンに影響を与えた。王政が復古すると立憲王党派の理論家として,純理派を形成し,国家権力の根源を人民にも王にも求めず,王と国民の合意の結果である「憲章 (シャルト) 」によって構成された主権のなかに求めることを主張した。
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