ドクトリネール(読み)どくとりねーる(英語表記)Doctrinaires フランス語

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ドクトリネール」の意味・わかりやすい解説

ドクトリネール
どくとりねーる
Doctrinaires フランス語

フランス復古王政期の政治グループ。純理派、正理論派などと訳す。右翼の過激王党派に対抗して生まれた立憲王党派のなかにあって、中道政治の哲学を打ち立てようとした理論家たちをさす。その中心はロアイエ・コラールで、ほかにギゾー、ブロイ公Achille Charles Léonce Victor, duc de Broglie(1785―1870)、シャルル・ド・レミュザCharles François Marie, comte de Rémusat(1797―1875)らが有名。王権神授説にたつ専制君主制とルソー的デモクラシーとをともに退け、制限選挙制に基づく穏和な立憲王制を説いたが、国王に政治に対する積極的役割を認める点で、イギリス風の議会制王制を目ざすコンスタンらの自由派と区別される。少数派ながら影響力は大きく、自由主義ブルジョアに有利な1817年の選挙法、また検閲の廃止を定めた19年の新聞法の制定を主導し、20年代には立憲憲章擁護の立場から過激王党政府の反動政策を批判した。7月王政期には、この派の立場が保守派たる抵抗派に受け継がれることになる。

[服部春彦]

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ドクトリネール

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