ロラーズ(読み)ろらーず(その他表記)Lollards

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ロラーズ」の意味・わかりやすい解説

ロラーズ
ろらーず
Lollards

13世紀イギリスの宗教改革者でオックスフォード大学神学教授ウィクリフの教説を信奉する「ロラード派」Lollardの人々をいう。この語は「優しく子をあやし歌う」lullaに由来する。14世紀後半が全盛期で、彼らは法冠、十字架、聖油、香料の使用に反対し、また巡礼偶像崇拝告解、強制的な独身主義を排して、聖書説教こそが唯一の法であるとした。この派の拠点はオックスフォード大学で、信徒は中産者層や手工業者の間に多かった。15世紀に入ると、議会異端の火刑を認める法令を定め、諸王と大司教も厳しく弾圧したため勢力は衰えた。この教説は海を越えてプラハに伝わり、フスの改革運動に継承される。

松垣 裕]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

山川 世界史小辞典 改訂新版 「ロラーズ」の解説

ロラーズ
Lollards

14~15世紀のイングランドにおいてジョン・ウィクリフの説を信奉し,聖書を唯一のよりどころとして教皇教会権威に批判的な姿勢をとった人々。イングランド中南部の中産層に支持者が多く,1381年のワット・タイラー農民一揆などで高まりをみせたが,異端として厳しい弾圧を受けてしだいに勢力を失った。

出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報

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