ワルファリン(読み)わるふぁりん(その他表記)warfarin

翻訳|warfarin

デジタル大辞泉 「ワルファリン」の意味・読み・例文・類語

ワルファリン(warfarin)

経口抗凝固剤一種血栓症治療予防に用いられる。殺鼠さっそ剤としてネズミに与えると失血死が起こる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ワルファリン」の意味・わかりやすい解説

ワルファリン
わるふぁりん
warfarin

血液凝固阻止剤(抗凝血剤)で、肝臓における血液凝固因子(第Ⅱ・第Ⅶ・第Ⅸ・第X因子)の生合成を抑制し、クマリン誘導体としての抗凝血作用を現す。医薬品としてはワルファリンカリウムが使われる。これは白色結晶性粉末で、においがなく味はわずかに苦い。血栓症や塞栓(そくせん)症の治療および予防に適用される。また、ビタミンK剤とよく拮抗(きっこう)するので、本剤の過剰投与による出血傾向はビタミンK剤の投与で阻止できる。錠剤(1ミリグラム、5ミリグラム含有)が市販されている。初回20~40ミリグラムを経口投与し、一両日休薬して凝固能を確認後、1日1回1~5ミリグラムを維持量とする方法と、初めから5~6ミリグラムを1日1回投与する方法とがある。絶えず血液凝固能検査(プロトロンビン時間測定など)を行う必要があり、また他剤との相互作用が多くみられるので注意する。なお、極量は1回75ミリグラムである。

[幸保文治]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ワルファリン」の意味・わかりやすい解説

ワルファリン
warfarin

化学式 C19H16O4 。4-オキシクマリンとα-ベンジルアセトンを縮合させて合成する。水,ベンゼンには不溶,アルコールには可溶,アセトン,ジオキサンには易溶 (ナトリウム塩は水に可溶) 。融点 159~161℃。殺鼠剤として使用される。ただし,少量ずつ連日摂取され,ねずみの血液中にある程度の蓄積がなされ,かつある期間持続される必要がある。 0.25~0.5%濃度に混ぜた餌を5日以上連続摂取すると効果が現れる。市販品にはデンプン色素,砂糖などを混ぜて錠剤にしたものもある。トモリンも類似化合物を主剤とした殺鼠剤である。

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栄養・生化学辞典 「ワルファリン」の解説

ワルファリン

 C19H16O4 (mw308.33).

 クマリン誘導体である経口抗凝血薬.ビタミンKのアンタゴニストとして作用する.

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