ワーキング・ホリデー(読み)わーきんぐほりでー(英語表記)working holiday

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ワーキング・ホリデー」の意味・わかりやすい解説

ワーキング・ホリデー
わーきんぐほりでー
working holiday

二つの国・地域間の取り決めに基づき、おのおのの国・地域が、相手国・地域の青少年に対して、自国・地域で一定期間の休暇を過ごし、その間の滞在費を補うために就労することを相互に認める制度。ワーホリと略されることもある。通常の観光ビザでは訪問国での就労はいっさい認められないが、国際的に広い視野をもった若い人を育て、相互理解や友好を深めることを目的にする限りにおいて許可するという趣旨である。風俗営業などこの目的に反するとみなされる職種に従事することはできない。

 日本のワーキング・ホリデー制度は、1980年(昭和55)にオーストラリアとの間で初めて締結された。その後ニュージーランド(1985年)、カナダ(1986年)、韓国・フランス(1999年)、ドイツ(2000年)、イギリス(2001年)、アイルランドデンマーク(2007年)、台湾(2009年)、香港(2010年)と締結し、2013年(平成25)2月のノルウェーで12か国・地域となった。ビザの有効期間は最長1年(イギリスのみ2年)だが、就労期間は、これとは別に6か月以内などと定められている。また、ビザの年間発給数に上限が設けられている国・地域(2013年時点で、カナダ6500人、韓国1万人、フランス1500人、イギリス1000人、アイルランド400人、台湾2000人、香港250人)、申請期間が決められている国・地域などがある。申請要件として、申請時の年齢が18歳以上30歳以下(韓国とアイルランドは25歳以下)であること、子供を同伴しないこと、滞在当初の生計を維持できる資金を所持することなどが定められている。日本でワーキング・ホリデービザの発給を受けるためには、国内にある相手国大使館または領事館に申請を行う。制度利用者数は、『平成19年版観光白書』の「ワーキング・ホリデー査証発給実績」(2006年・締約国7か国)によると、日本からオーストラリアへは1万0939人でオーストラリアから日本へは918人というように、韓国を除いて日本からの利用者のほうが多くなっている。

[編集部]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ワーキング・ホリデー」の意味・わかりやすい解説

ワーキングホリデー
working holiday

協定締結国の国民に対し,休暇の機会と,その間の滞在費用を補う程度の就労を認める査証(ビザ)を発給する制度。二国間の協定に基づき,国際的視野をもった青少年を育成し,両国間の相互理解と友好関係を促進することを目的とする。対象は日本国籍をもち日本に在住する 18歳から 30歳(一部の国は 25歳)までの男女で,有効期間は最長 1年。発給は生涯に一度かぎり,本人のみ。入国人数を制限する国もある。日本が協定を結ぶ国は,1980年に制度を開始したオーストラリアをはじめ,ニュージーランド,カナダ,大韓民国(韓国),フランス,ドイツ,イギリス,アイルランド,デンマークの 9ヵ国(2007年10月現在)。制度の支援機関は,厚生労働大臣認可の公益法人である日本ワーキング・ホリデー協会。

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