翻訳|visa
国家が発行する入国許可証のこと。ビザともいう。その人物が発行国・地域に入っても支障がないことを証明する意味合いをもつ。海外渡航の際には、保有者の国籍や身分を証明する旅券(パスポート)とともに、原則、渡航先の査証が必要である。犯罪歴や政治的理由などで発行されない場合がある。渡航先、渡航目的、滞在期間などによって、査証の種類は異なる。外交、就業、観光、留学などの種類があり、それぞれ滞在期間を定めている。日本政府が発行するビザは、(1)観光、商用、知人・親族訪問など90日以内の滞在で報酬を得る活動をしない短期滞在ビザ、(2)高度専門職ビザ、(3)教授、芸術、宗教、報道、経営・管理、法律・会計業務、医療、研究、教育、技術・人文知識・国際業務、企業内転勤、介護、興行、技能などの就業ビザ、(4)文化活動、留学、研修、家族滞在、技能実習などの一般ビザ、(5)日本人や永住者の配偶者、定住者、特定活動向けの特定ビザ、(6)起業ビザ、(7)医療ビザ、(8)外交・公用ビザ、などに分かれる。査証は原則1回限り有効で、複数回有効や一定期間内は何回でも有効といった種類もある。オーストラリアなど一部の国は電子データの査証を発行している。なお査証は入国審査の前提であり、実際の入国許可は、到着後、審査のうえ与えられる。
渡航前に、渡航先の在外公館(大使館や領事館)から発給を受ける必要がある。かりに出発地に渡航先在外公館がない場合、在外公館のある第三国で手続をとることが可能。通常手数料を支払い、旅券と査証申請書を提出すると、旅券の査証欄に必要事項の記入と署名捺印(なついん)がなされる。ヨーロッパのシェンゲン協定(規則)領域をはじめ、友好国間など査証の相互免除協定を結んだ国家間では、渡航の際の査証が必要でない場合もある。日本はアメリカ、イギリス、韓国、シンガポールなど68か国・地域に対し原則、観光、商用、知人・親族訪問など90日以内の短期滞在査証を免除している。オリンピック大会、サッカーのワールドカップなど世界的イベントの際に、開催期間中に限定して査証なしで入国を認めることがある。
査証発給は、発行国・地域の政策によって大きく左右される。アメリカは海外のIT(情報技術)技術者を対象に大量の「H-1Bビザ」を発給し、同国のイノベーションにつなげている。日本もインバウンドを増やすため、2015年(平成27)に中国人高所得者への発給条件を大幅に緩和した。新型コロナウイルス感染症(COVID(コビッド)-19)の流行後、多くの国が発給済み査証の効力を停止した。日本・ロシア双方が主権を主張する北方領土では、両国の立場を害さないよう、旅券や査証なしで日本人と北方領土のロシア人が相互往来する「ビザなし交流」が実施されている。
[矢野 武 2021年6月21日]
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…カンボジアの首都。人口92万(1994)。メコン河口から約300km遡航した自然堤防上の河岸に開けた都市で,港は2500トンまでの船が横づけできる。プノンペンとはカンボジア語で〈ペンの丘〉を意味する。《王朝年代記》によれば,洪水のときに上流から仏像4体が流れつき,敬虔なペンという名の夫人がこの仏像を小さな丘の東斜面に安置したという。これが〈ペン夫人の丘の寺院〉説話で,プノンペン発祥伝説のもととなった。…
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