アカメ(読み)あかめ(その他表記)giant perch

日本大百科全書(ニッポニカ) 「アカメ」の意味・わかりやすい解説

アカメ
あかめ / 赤目
giant perch
[学] Lates japonicus

硬骨魚綱スズキ目アカメ科に属する海水魚。地方名マルカ、ミノウオなど。静岡県浜名湖から鹿児島県志布志(しぶし)湾にかけての太平洋沿岸域、および種子島(たねがしま)に分布する日本固有種。体はやや高く、吻(ふん)はとがる。頭部の背縁は緩やかにくぼむ。尾の付け根は太く、尾びれの後縁は丸い。側線鱗(そくせんりん)は60枚以上。体は黄褐色で、頭部背縁や胴部に暗色帯があり、とくに目が赤く輝くのが特徴。全長は1メートル、体重30キログラムを超す。大きな河川河口部や内湾の汽水域にすむ。産卵期は6~8月ごろ。日本では、幼魚は四万十(しまんと)川(高知県)、大淀(おおよど)川(宮崎県)などの大きな川に入る。成魚は夜釣りの対象魚であるが、生息数は非常に少なくなり、環境省のレッド・データ・ブックで絶滅危惧ⅠB類Endangeredに指定されている。

落合 明・尼岡邦夫]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アカメ」の意味・わかりやすい解説

アカメ
Lates japonicus

スズキ目アカメ科。全長 1mになる。体は長楕円形で側扁する。口は大きく,下顎上顎よりも突出する。背鰭は2基。成魚の体色は一様に銀灰色で,眼は赤色。幼魚では暗褐色で不規則な横色帯がある。和歌山県沖から宮崎県沖に分布する。幼魚は河口を遡上する。食用

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世界大百科事典(旧版)内のアカメの言及

【グソクダイ(具足鯛)】より

…鹿児島ではヨロイダイというが,グソクダイの名とともに,とげのあるえらぶたやうろこのいかつい感じと赤糸おどしの鎧を思わせる体色からつけられたものであろう。また,東京,大阪でキントキ,鹿児島でアカメ,三崎,鳥羽でエビスダイなどの地方名もある。全長45cm。…

【メナダ】より

…ボラと似ているが眼が頭の先のほうへ寄り,脂瞼(しけん)が発達しない。口唇および眼が赤みを帯びるのでシクチ,シュクチ(大阪,和歌山,広島,岡山,熊本),スクチ(高知,和歌山),ヒクチ(広島),アカメ(石川,富山,八郎潟,男鹿,和歌山,佐賀,玄海,下関),メアカ(和歌山)などと呼ばれる。種小名のhaematocheilaは血色の唇のことで,英名もredlip mulletである。…

※「アカメ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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