大淀(読み)オオヨド

デジタル大辞泉 「大淀」の意味・読み・例文・類語

おおよど〔おほよど〕【大淀】

大阪市の旧区名。平成元年(1989)北区に合併。
三重県多気明和町大淀おいずの古名。北側の浜を大淀の浦といった。[歌枕]
「―の浜のまさごを君が代の数にとれとや浪も寄すらん」〈風雅・賀〉

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精選版 日本国語大辞典 「大淀」の意味・読み・例文・類語

おおよどおほよど【大淀】

  1. [ 一 ] 三重県中東部、明和町の地名。おいず。負戸。歌枕。
    1. [初出の実例]「おほよどの松はつらくもあらなくにうらみてのみもかへるなみ哉」(出典:伊勢物語(10C前)七二)
  2. [ 二 ] 大阪市北部、新淀川の南岸にあった区。昭和一八年(一九四三)区制。阪神工業地帯の一中心を形成。平成元年(一九八九)北区に合併。
  3. [ 三 ] 山城国(京都府)久世郡木津川河港。京と西海道・南海道を結ぶ水運基地。現在の伏見区淀のあたり。与等津(よとのつ)淀津
    1. [初出の実例]「時雨する秋のみ山の嵐にはよにおほよどの船出せじかし」(出典:栄花物語(1028‐92頃)暮待つ星)
  4. [ 四 ] 奈良県中西部、吉野川北岸の地名。木材の集散地

おおよどおほよど【大淀】

  1. 姓氏の一つ。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「大淀」の意味・わかりやすい解説

大淀(町)
おおよど

奈良県中西部、吉野郡にある町。1921年(大正10)町制施行。町域は竜門(りゅうもん)山地南斜面上を吉野川北沿いに東西に長く延びる。河岸段丘の発達もみられ、北端に高取山(580メートル)がそびえる。吉野川に沿って近畿日本鉄道吉野線と国道370号が走り、下淵(しもぶち)で南北方向の国道169号、309号と交差する。近鉄下市口(しもいちぐち)駅は修験道(しゅげんどう)の山上(さんじょう)ヶ岳や大峰山系への登山口で、駅前から千石橋に至る下淵岡崎地区は郡内第一の商店街を形成する。吉野川分水の取水口が下淵にある。製材、木工業と果樹園経営が盛んで、特産品に二十世紀ナシと吉野茶がある。大規模なニュータウンが造成され、住宅地化が進んだ。面積38.10平方キロメートル、人口1万6728(2020)。

[菊地一郎]

『『大淀町史』(1973・大淀町)』



大淀
おいず

三重県中南部、多気(たき)郡明和町(めいわちょう)の一地区。旧大淀町。「おおよど」ともいう。伊勢(いせ)湾岸の大堀川河口に位置する漁業集落で、古代には斎宮の禊(みそぎ)所であった。『伊勢物語』の「大淀の松はつらくもあらなくにうらみてのみもかへる波かな」のほか多くの歌に詠まれている。港に「大淀の松」(県指定天然記念物)がある。また、大淀海岸には海水浴場やキャンプ場が整備されている。7月下旬には大淀祇園(ぎおん)祭と花火大会が開催される。

[伊藤達雄]

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改訂新版 世界大百科事典 「大淀」の意味・わかりやすい解説

大淀[町] (おおよど)

奈良県中央部,吉野郡の町。人口1万9176(2010)。吉野川中流の北岸に位置し,3段の河岸段丘,竜門山地南斜面の丘陵からなる。吉野郡の玄関口にあたり,吉野川沿いに近鉄吉野線,国道370号線が通るなど交通の要所である。伊勢街道沿いの古い集落のほかに,近年大規模な住宅地が増え,大阪方面へ通勤する人が増加している。第3次産業就業者が半分以上を占め,農業は兼業化が著しい。東部では茶栽培,西部の薬水峰では二十世紀梨などの果樹栽培が盛ん。山林地帯の玄関口にあたることから,工業は製材業などの木材木製品製造が中心である。比曾の世尊寺は聖徳太子開基とされる比曾寺跡にあたる。
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百科事典マイペディア 「大淀」の意味・わかりやすい解説

大淀[町]【おおよど】

奈良県中部,吉野郡の町。吉野川中流北部の山地を占め,近鉄吉野線が通じる。米,ナシ,蔬菜を産し,茶の栽培も盛ん。山地からは木材を産出,製材工業も行う。38.10km2。1万9176人(2010)。

大淀【おおよど】

大阪市の旧区。市街地の北部,新淀川南岸に沿い,化学・製薬・繊維・金属・機械工業などの大工場を中心に古くから工業が発達し,大阪市北部工業地帯の一部をなす。1989年区と合し,北区の一部となる。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「大淀」の意味・わかりやすい解説

大淀
おおよど

旧日本海軍の軽巡洋艦で,連合艦隊最後の旗艦。 1943年竣工。基準排水量 8164t,速力 35kn,主砲 15.5cm砲6,カタパルト1,水偵6機搭載。初めは潜水戦隊の旗艦として設計されたが,連合艦隊旗艦に変更され,第2次世界大戦末期に旗艦として使用された。 45年7月 24日,アメリカ軍の爆撃により呉で沈没。

大淀
おいず

おおよどともいう。三重県中部,明和町の漁業地区。伊勢湾にのぞみ,ノリ養殖,貝類採取を主とする沿岸漁業の中心地。大淀港は平安時代,伊勢斎王が斎宮へ狩りの使いに来た在原業平と別れを惜しんだところといわれ,かつては「業平松 (大淀の松) 」が植えられていた。

大淀
おおよど

大淀」のページをご覧ください。

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