アナコンダ(その他表記)anaconda
Eunectes murinus

デジタル大辞泉 「アナコンダ」の意味・読み・例文・類語

アナコンダ(Anaconda)

米国モンタナ州南西部の都市。1880年代にアナコンダ社の銅の精錬所が建設され発展。都市名は同社の名に由来する。精錬所は世界有数の規模を誇ったが、1980年に閉鎖され多くの失業者が出た。高さ178メートルの石造の煙突が残っている。

アナコンダ(anaconda)

ボア科の無毒のヘビ。全長約9メートル、黄緑色黒色の斑紋が並ぶ。卵胎生。ほとんど水中で過ごす。南アメリカ北部に分布。

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精選版 日本国語大辞典 「アナコンダ」の意味・読み・例文・類語

アナコンダ

  1. 〘 名詞 〙 ( [スペイン語] anaconda ) ボア科の水生の巨大なヘビ。中南米の熱帯の密林にすみ、無毒だが鋭い歯をもち、水辺の動物を食べる。体長六メートル前後。ウォーターボア。

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改訂新版 世界大百科事典 「アナコンダ」の意味・わかりやすい解説

アナコンダ
anaconda
Eunectes murinus

アミメニシキヘビとともに世界最大のヘビとして知られるボア科の無毒ヘビ。南アメリカ北部,トリニダード島アマゾン川流域に分布し〈アマゾンの主〉と呼ばれる。全長4~8m,最大は9mに達するが,12mくらいの個体が存在するものと現地では考えられている。頭部は小さいが胴が太く,体鱗は小さくて滑らか。ミズボアの別名どおり水辺にすみ,昼間は河川の浅瀬や水辺の枝に横たわり,夜間,水を飲みに岸辺にやってくるアグーチペッカリーなどの哺乳類や水鳥をとらえ,また魚類やカメ,ワニカイマンまでが餌の対象となる。大蛇ながら性質はおとなしく,人に危害を加えることはなく,陸上での動きはにぶい。卵胎生で全長70cmくらいの子ヘビを一度に30~80匹ほど生む。キイロアナコンダパラグアイアナコンダE.notaeusは全長3m余りの小型種で,背面は淡黄色。ボリビア,ブラジル西部からウルグアイ地方に分布する。
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アナコンダ
Anaconda

アメリカ合衆国モンタナ州南西部の鉱業都市。人口9400(2000)。1880年に銅産出の始まったビュートの西北西37kmに位置する。ビュートのアナコンダ銅鉱山会社が,84年にこの地に銅製錬工場を建設したことにより町が発展し,当初カパロポリス(銅の町)と呼ばれた。91年にはビュートとアナコンダ間の鉄道が完成し,同工場はその後の拡大・近代化により世界屈指の銅製錬工場としての地位を保ってきた。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「アナコンダ」の意味・わかりやすい解説

アナコンダ(ヘビ)
あなこんだ
anaconda
[学] Eunectes murinus

爬虫(はちゅう)綱有鱗(ゆうりん)目ボア科のヘビ。同科ボア亜科に属する無毒ヘビ。南アメリカのアマゾン川流域に分布し、水辺にすみ、ミズボアの別名がある。南アメリカ北部、トリニダード産が別亜種にされる。アジアにすむアミメニシキヘビPython reticulatusとともにヘビの世界最大を競う大形種で、「アマゾンの主」とよばれる。全長4~9メートル、例外的には11メートルを超えるらしく、その大きさに関する話題が絶えない。頭部は小さいが胴が太く、夜間水を飲みに岸辺にくるペッカリー、パカなどの哺乳類(ほにゅうるい)や水鳥をとらえて、強い力で締める。そのほか魚、カメ、ワニのカイマンも餌(えさ)の対象となる。しかし性質はむしろ温和で、人に対する危険性はない。卵胎生で、一度に全長70センチメートルほどの子ヘビを30~80匹ほど産む。アマゾン河口のマラジョ島には近縁の2種が分布する。さらに、全長3メートル余りの小形の別種キイロアナコンダE. notaeusは背面が淡黄色で、ボリビア、ブラジル西部からウルグアイ地方に分布する。

[松井孝爾]



アナコンダ(アメリカ合衆国)
あなこんだ
Anaconda

アメリカ合衆国、モンタナ州南西部の工業都市。人口9417(2000)。1883年にアナコンダ製銅会社が製錬所を建設して以来の銅製錬の中心地で、都市名も同社の名をとった。現在の製錬所は世界有数のもので、排煙塔の高さが178.4メートルある。わずかであるが、銅のほかに錫(すず)、マンガンも産する。

[作野和世]

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百科事典マイペディア 「アナコンダ」の意味・わかりやすい解説

アナコンダ[会社]【アナコンダ】

米国の産銅会社。1895年設立,1915年親会社解散で新発足。モンタナ州アナコンダのほか,チリ,メキシコ,カナダなどに多数の鉱山をもち,銅などの非鉄金属の採掘,製錬,加工品製造を行い,世界最大級で,ヘルプス社,ケネコット社とともに3大産銅会社となった。産銅量の3分の2を占めたチリの鉱山が1971年に国有化されて打撃を受け,1977年石油会社アトランティック・リッチフィールド社(ARCO)に買収された。
→関連項目アナコンダビュート

アナコンダ

ボア科の無毒ヘビ。全長4〜8m,最大で9mに達する。南米北部の熱帯多雨林に分布。体はオリーブ色に黒い斑紋が並ぶ。大半を水中で過ごし,哺乳(ほにゅう)類や鳥類を水辺で捕らえる。卵胎生で全長70cmくらいの子ヘビを30〜80匹生む。いわゆる〈アマゾンの主〉と呼ばれるのが本種。
→関連項目ボア

アナコンダ

米国,モンタナ州の工業都市。アナコンダ会社の銅・銀の製錬工場があり,その煙突は178mに達する。約1万人。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アナコンダ」の意味・わかりやすい解説

アナコンダ
Anaconda

アメリカ合衆国,モンタナ州南西部の都市。 1884年マーカス・デーリーが,ウォームスプリングズ川の河畔に銅精錬所を建設したのを契機に発展。この精錬所は世界最大の規模のもので,高さ 178mの煙突が周囲を圧していたが,1980年に閉鎖され,同市の労働人口の 25%が失業した。近くにディアロッジ国有林,ロストクリーク州立公園,ジョージタウン湖などの保養地がある。人口1万 278 (1990) 。

アナコンダ
Eunectes murinus; anaconda

トカゲ目ボア科。東南アジア産のアミメニシキヘビとともに世界最大のヘビで,体長 9m内外。頭部は小さく胴は太く,体鱗はなめらかである。水辺を好み,水中で過す時間も多い。無毒。卵胎生で,30~40匹の子ヘビを産む。性質は荒く,哺乳類,鳥類,ワニなどを捕食する。南アメリカの熱帯降雨林に分布する。

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世界大百科事典(旧版)内のアナコンダの言及

【非鉄金属鉱業】より

…CIPEC諸国はそれまで外国資本によって支配されていた国内資源の国有化を積極的に行った。たとえばザイールはCIPEC設立前の1967年にユニオン・ミニエール社(ベルギー)の資産を接収,ペルーは70年にアサルコ,アナコンダ両社(ともにアメリカ)を接収,チリは71年にアナコンダ社,ケネコフット社(アメリカ)の鉱山を国有化した。このうちアナコンダ社Anaconda Co.(1881年アナコンダ・マイニング社として設立)は,その最盛期の1966年には自由世界の約13%に当たる56万5000tの産銅量を記録し,埋蔵量でも世界全体の40%を保有していた産銅業界の文字どおり〈王蛇〉であった。…

【キロガ】より

…当初モデルニスモの散文作家として出発し,死への恐怖をテーマにした作品を手がけたが,のちにアルゼンチンのミシオネス地方の密林に接して,巨大な自然に対する人間や動物の生存のための闘いに打たれ,写実主義文学への道を歩み始めた。1920年代から生まれる〈大地小説〉の先駆者で,作品は《アナコンダ》(1921)などすべて短編である。【神代 修】。…

【ボア】より

…約8属25種が知られ,大部分が南北アメリカに分布するが,マダガスカルボア属Acrantophis2種とサンジニアボア属Sanzinia1種がマダガスカルに,パシフィックボア属Candoiaの3種がニューギニアと南太平洋の諸島に分布している。最大はアマゾン流域に分布するアナコンダEunectes murinus(イラスト)で,最大全長が9mを超える。最小は全長約60cmのパシフィックボアで,他は全長2~4m。…

※「アナコンダ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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