日本大百科全書(ニッポニカ) 「アミメニシキヘビ」の意味・わかりやすい解説
アミメニシキヘビ
あみめにしきへび / 網目錦蛇
reticulate python
[学] Python reticulatus
爬虫(はちゅう)綱有鱗(ゆうりん)目ボア科のヘビ。同科ニシキヘビ亜科に属し、現生のヘビでは世界最大記録をもつ無毒ヘビ。ミャンマー(ビルマ)南部、タイ、インドシナ、マレーシア、インドネシア、インド領のニコバル諸島に分布する。全長5~8メートル、最大記録は9.9メートルに達するが、近ごろでは大きな個体はあまりみられなくなった。ギリシア神話に登場する巨大なヘビ、パイソン(王蛇(おうだ))に由来するいわゆる王蛇類の代表種で、体背面は淡褐色か淡黄色の地に、黒く縁どりされた黄または黄褐色の美しい網目模様があり、日光が当たると錦織りのように輝く。胴が太く、滑らかな細鱗が胴周りに70~80列もある。平地の降雨林やゴム林に生息し、居住区にも出没する。夜行性で、大形の哺乳類(ほにゅうるい)や家畜、鳥類を捕食するが、きわめてまれなケースとして、人間の子供や女性が大きな個体に襲われることがある。
[松井孝爾]