アナコンダ(読み)あなこんだ(英語表記)Anaconda

日本大百科全書(ニッポニカ) 「アナコンダ」の意味・わかりやすい解説

アナコンダ(ヘビ)
あなこんだ
anaconda
[学] Eunectes murinus

爬虫(はちゅう)綱有鱗(ゆうりん)目ボア科のヘビ。同科ボア亜科に属する無毒ヘビ。南アメリカのアマゾン川流域に分布し、水辺にすみ、ミズボアの別名がある。南アメリカ北部、トリニダード産が別亜種にされる。アジアにすむアミメニシキヘビPython reticulatusとともにヘビの世界最大を競う大形種で、「アマゾンの主」とよばれる。全長4~9メートル、例外的には11メートルを超えるらしく、その大きさに関する話題が絶えない。頭部は小さいが胴が太く、夜間水を飲みに岸辺にくるペッカリーパカなどの哺乳類(ほにゅうるい)や水鳥をとらえて、強い力で締める。そのほか魚、カメ、ワニカイマンも餌(えさ)の対象となる。しかし性質はむしろ温和で、人に対する危険性はない。卵胎生で、一度に全長70センチメートルほどの子ヘビを30~80匹ほど産む。アマゾン河口のマラジョ島には近縁の2種が分布する。さらに、全長3メートル余りの小形の別種キイロアナコンダE. notaeusは背面が淡黄色で、ボリビア、ブラジル西部からウルグアイ地方に分布する。

[松井孝爾]



アナコンダ(アメリカ合衆国)
あなこんだ
Anaconda

アメリカ合衆国、モンタナ州南西部の工業都市。人口9417(2000)。1883年にアナコンダ製銅会社が製錬所を建設して以来の銅製錬の中心地で、都市名も同社の名をとった。現在の製錬所は世界有数のもので、排煙塔の高さが178.4メートルある。わずかであるが、銅のほかに錫(すず)、マンガンも産する。

[作野和世]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アナコンダ」の意味・わかりやすい解説

アナコンダ
Anaconda

アメリカ合衆国,モンタナ州南西部の都市。 1884年マーカス・デーリーが,ウォームスプリングズ川の河畔に銅精錬所を建設したのを契機に発展。この精錬所は世界最大の規模のもので,高さ 178mの煙突が周囲を圧していたが,1980年に閉鎖され,同市の労働人口の 25%が失業した。近くにディアロッジ国有林,ロストクリーク州立公園,ジョージタウン湖などの保養地がある。人口1万 278 (1990) 。

アナコンダ
Eunectes murinus; anaconda

トカゲ目ボア科。東南アジア産のアミメニシキヘビとともに世界最大のヘビで,体長 9m内外。頭部は小さく胴は太く,体鱗はなめらかである。水辺を好み,水中で過す時間も多い。無毒。卵胎生で,30~40匹の子ヘビを産む。性質は荒く,哺乳類,鳥類,ワニなどを捕食する。南アメリカの熱帯降雨林に分布する。

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