日本ではウィンドヤッケ(ドイツ語のWindjackeに由来する)またはヤッケと通称され,パーカparkaとも呼ばれる。元来はエスキモーが着用する毛皮製でずきん付きの外着であったが,のちにフード付きの防寒・防風用ジャケットを総称するようになった。1920年代にノルウェーで布製のものが考案され,29年に日本にも入った。現在はナイロン,テトロンなどの素材で,登山やスキーなどに多く用いられる。頭からかぶる型が一般的で,手首やフードの縁部にはゴムひもがついて風雪の侵入を防ぐ。オーバーズボンやオーバーシューズと併用すると効果的で,二重になって保温のよいもの,キルティングしたもの,オーバーズボンと連結したワンピース型のものなどもある。
執筆者:徳久 球雄
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
防寒、防雨用のフード付きジャケット。本来はグリーンランドのエスキモーが着ていた、トナカイやアザラシの皮でつくった、ゆったりした外着のことであり、エスキモー語のアノラックanoraqが語源である。北極の極寒の気候に対処するため、多くは内側を毛皮で裏打ちした。今日では防風、防雨、防寒着として、登山、スキー、スケートなどのウィンタースポーツに広く用いられるほか、一般に、冬季の作業用としても普及している。材質は、それぞれの目的にあわせて選ばれるが、防水綿布、ビニロン、ナイロン、およびこれらの布地のキルティングしたものなどを組み合わせて、複雑な製品がつくられるようになった。なおドイツ語でこのような衣服をウィンドヤッケWindjackeといい、英語のパーカparkaもほぼ同じような衣服をさす(こちらはアリューシャン・エスキモーのパルカが語源)。
[菅生ふさ代]
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出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…甲板に相当する上部には,もりや槍を保持するための支えもある。漕ぎ手はふつうアノラックとよぶアザラシの腸で作った防水着を身に着け,その裾を開口部の外側に紐で結びつける。そのため荒天でも浸水せず,転覆してもパドル操作で容易に復原できる。…
※「アノラック」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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