アブドゥル・ラフマーン(奥都剌合蛮)(読み)アブドゥル・ラフマーン(英語表記)`Abd alRahmān

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

アブドゥル・ラフマーン(奥都剌合蛮)
アブドゥル・ラフマーン
`Abd alRahmān

[生]?
[没]1246
13世紀のモンゴル帝国財政家。 1238年ウイグル人宰相鎮海 (ちんかい) の手引オゴデイ (太宗) に近づき,河南一帯の課税額銀 220万両を,翌 39年 440万両で請負った。 40年,提領諸路課税所官にあてられて,帝国東半部の財政を一手に握った。 41年冬,オゴデイがオテグ・フラン山に狩猟したとき彼は酒をすすめ,この酒に酔ったオゴデイは翌朝早く急死した。摂政の皇后トレゲネ (脱列哥那)は,従来帝国東半部の宰相であったマフムード・イェルワジを罷免してアブドゥル・ラフマーンを宰相とし,全権を委任した。しかし 46年グユク (貴由)即位とともに失脚し,処刑された。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android