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アメリカ政治学 アメリカせいじがく

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

アメリカ政治学
アメリカせいじがく

アメリカ合衆国の統治構造をめぐる論争の所産である『ザ=フェデラリスト』 (1788) に始る学問。その後長い間政治に対する学問的研究は影をひそめていたが,19世紀後半においてようやく,体系的な政治研究の道が開かれた。そのパイオニアとなったのはドイツからの亡命者 F.リーバーで,彼はコロンビア大学で初代の政治学の教授となった。リーバーのあとをうけて,J.バージェスは同大学で政治学科をつくった。政治学といっても,当時においてはまだ法律論的,制度論的なものにすぎなかった。 19世紀末から第1次世界大戦までの間に,W.ベントレー,A.L.ローウェルなどが輩出し,政治を動かす諸勢力の検討に関心を向け,「観察,調査,測定」の時代を開くにいたった。 1920~40年にアメリカ政治学は大きく飛躍し,その代表的学者は C.E.メリアムであった。彼は政治的現実を直視して,自己の理論的前提を根底から再検討し,『政治学の現状』 (1921) や『政治学の新局面』 (25) によって科学的政治学を主張した。これは政治学に心理学や統計学などを導入しようとしたもので,これに刺激されて,H.ラスウェル,G.アーモンド,L.ホワイトなどは科学的な行動研究を開始した。第2次世界大戦後アメリカ政治学は,いよいよ花盛りを迎え,広く全世界の学界をもリードすることとなった。まず行動科学が大きな潮流となり,V.O.キー,K.ドイッチュなどがその推進者となった。 60年以降は,特に人類学や社会工学などとの協力関係がつくられて新しい理論的発展が見受けられ,システム理論,コミュニケーション理論,ゲーム理論などが注目を受けるにいたった。その半面ベトナム問題や黒人問題を契機にそれまでの行動論的政治学に対する批判が高まるようになり,69年にアメリカ政治学会会長の D.イーストンは会長演説においてこれらの批判を「脱行動論革命」と名づけた。「新しい政治学を目指す協議会」が生れて,社会変革を志向する政治学の構築が論じられるようになった。

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