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アラウィー派 あらうぃーは

知恵蔵の解説

アラウィー派

シーア派に起源を持つ秘伝の教義はシリアの諸宗教の混交といわれる。信者の居住地はトルコの東部とシリア。シリアでは人口の1割を占める少数派である。長らくスンニ派支配体制下で2級市民的地位に甘んじてきた。しかし、フランスが現地人を兵士として募集し始めると、貧しさゆえにアラウィーの若者の多くがこれに応じた。独立後もこの傾向は変わらず、やがて軍部を掌握することでアラウィー派がシリアの実権を奪取した。故アサド大統領以下のバース党の幹部にはこの派の出身者が多い。

(高橋和夫 放送大学助教授 / 2007年)

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デジタル大辞泉の解説

アラウィー‐は【アラウィー派】

《〈アラビアAlawī》イスラム教シーア派イスマーイール派の一分派。シリアを支配するバース党の中核をなす。

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百科事典マイペディアの解説

アラウィー派【アラウィーは】

イスラムとキリスト教,およびシリアの土俗宗教の伝統とが結びついた宗派。ヌサイリーNusayri派とも呼ばれる。シーア派のイスマーイール派の影響が大きく,秘伝の奥義を有する。

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世界大百科事典 第2版の解説

アラウィーは【アラウィー派 ‘Alawī】

シーア派の一分派。ヌサイリーNuṣayrī派とも呼ばれる。現在シリア,トルコ南東部および一部レバノンに居住するが,そのうち多数はラタキア背後の山地に集中し,シリア人口の1割強を占める。教義は特定サークルの秘伝とされ,また女性は魂をもたぬ存在とみられた。教義上イスマーイール派の影響が顕著だが,シリアの土着的宗教伝統のうえにキリスト教とイスラムを折衷したものともみられる。人類史の七循環期においてそれぞれ奥義を体現するサーミト(沈黙者)をナーティク(語る者,預言者)より上位に置き,その結果,第4代カリフ,アリーを神格化し,またアリー,ムハンマド,教友のペルシア人サルマーンの3人――頭文字をとってアイン(‘),ミーム(m),シーン(s)――の組合せ(月,太陽,天空に比せられる)を重視する。

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大辞林 第三版の解説

アラウィーは【アラウィー派】

イスラム-シーア派の分派の一。シリア・トルコ南東部、レバノンなどに居住する。ヌサイリー(Nusayrī)派。

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世界大百科事典内のアラウィー派の言及

【シーア派】より

イスマーイール派は〈生きイマーム〉信仰が強く,イマームに服従する。イマームを神格化する派は極端派(グラートGhulāt)と呼ばれ,カルマト派,ヌサイリー派(アラウィー派)がある。これに対し十二イマーム派は穏健な立場をとり,フサインの子孫にイマームをたどり,隠れイマームのガイバの期間は,その意志は宗教法学者ムジュタヒドによって解釈され,また政治的にもムジュタヒドによる指導が行われるべきだという立場をとる。…

【シリア】より

…ほかに,中東戦争やレバノン内戦によって難民が流入し,パレスティナ難民が20万人,レバノン難民が30万~40万人存在する。 宗派的構成も複雑で,イスラム教徒86%(スンナ派71.9%,アラウィー派12.5%,イスマーイール派0.8%など),キリスト教徒9.9%(ギリシア正教,シリア正教,マロン派,アルメニア教徒など),ドルーズ派2.9%,その他1.2%から成っている。
【政治,近代史】
 第1次世界大戦後,1920年のサン・レモ会議によりフランスの委任統治下に入ったシリアでは,オスマン帝国時代の遺制を再編,温存してこれを支配しようとするフランスと,シリアの独立を要求する民族主義運動との対抗が展開された。…

※「アラウィー派」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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