アルペンホルン(英語表記)〈ドイツ〉Alpenhorn

百科事典マイペディアの解説

アルペンホルン

アルプスの牧畜地帯で用いられる木製のトランペット属管楽器。アルプホルンalphornとも。全長1.5〜4m。先端のベルは上向きに曲がっており,地面や木の台に置いて吹く。19世紀まではカトリック教会の夕べの祈りの合図など信号として使われたが,今日では観光用に独奏や合奏で吹かれる。

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世界大百科事典 第2版の解説

アルペンホルン【Alpenhorn[ドイツ]】

アルプス山中の牧童間に生まれた合図用のらっぱの一種。リトアニア,ピレネー,スカンジナビアなどでも同種の楽器が見られる。管形は円錐形で直線のものが多く,一部にS字形のものもあり,先端は朝顔形に開いている。管長は1~4mくらい。本体は木製で表は桜の皮で巻いてある。音は太く柔らかで,通常は1本でさまざまな合図に用いるが,19世紀ころよりスイスでは高低3本の楽器で,旋律や和音を奏するようになった。【中山 冨士雄】

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

アルペンホルン
あるぺんほるん
AlpenhornAlphornドイツ語

アルプス山地の羊飼いが用いるリップリード式の気鳴楽器。モミ、シナ、ポプラなどの長材を縦に半分に割り、中をくりぬいたのち、ふたたびあわせ、その上を樹皮やガットなどで巻いてつくる。管長は120センチメートルぐらいのものが多いが、4~5メートルに及ぶものもある。マウスピース(歌口)は近年別作りのものが多い。第2から第8ないしそれ以上の倍音を組み合わせて音型をつくり吹き鳴らす。ベートーベン作曲『田園交響曲』第5楽章の冒頭に、アルペンホルンを模した音型が使われている。その歴史は古く、14世紀にはすでに羊飼いの合図用として使われており、その後教会の招集時や戦争時にも使われた。同種のものは、スカンジナビアからロシア、スラブ諸国、高地ドイツに至るまでみられる。[川口明子]

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精選版 日本国語大辞典の解説

アルペン‐ホルン

〘名〙 (Alpenhorn) アルプス地方に伝わる原始的なホルン。元来は、羊の群れを呼び集めたり、山から山へ呼び交わすのに用いた。木、または皮で作り、長さは一メートル内外から三メートルに達するものもある。

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