アンモニア燃料(読み)あんもにあねんりょう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「アンモニア燃料」の意味・わかりやすい解説

アンモニア燃料
あんもにあねんりょう

アンモニア(NH3)をエネルギー源、すなわち発電用の燃料や船舶燃料などとして用いること。あるいは上記のような燃料用途で用いられるアンモニアのこと。アンモニアは現在、肥料用の原料などとして世界で広く用いられている。しかし、世界が気候変動対策強化のために温室効果ガス排出削減を進め、カーボンニュートラル実現を目ざすことになると、二酸化炭素(CO2)を排出しない新燃料が必要になる。そこで注目されているのがCO2フリー(排出ゼロ)の水素である。CO2フリー水素は再生可能エネルギーの電気を使って製造するグリーン水素や、天然ガスなどの化石燃料を使って製造し、その時に発生するCO2を回収・貯留することでつくるブルー水素などがある。これらのCO2フリー水素を遠距離輸送する場合、マイナス253℃に冷却して液化し、専用タンカーで運ぶ方法があるが、これらの設備や供給チェーンの形成には巨額のコストがかかる。そこで、すでに世界的に利用され、生産・運搬貯蔵などの供給インフラが存在するアンモニアが注目されることとなった。天然ガスからアンモニアを製造し、発生するCO2を回収・貯留・利用することでCO2フリーのブルーアンモニアをつくり、それをタンカーで輸送して消費地で利用する実証プロジェクトが、2020年(令和2)9月にサウジアラビアと日本の間で発表され、実施された。ブルーアンモニアは、石炭火力発電所やガス火力発電所で燃料として混焼されたり、アンモニア専焼で発電を行ったりすることになる。アンモニアの既存の供給チェーンや既存の火力発電インフラを活用することで、コストを抑えながらCO2の排出を大きく削減することにつながると期待されている。今後は、供給チェーンの具体的な確立やそのためのコスト削減、燃料アンモニアの用途の拡大を図っていく必要がある。

小山 堅 2022年1月21日]

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