イオニウム(英語表記)ionium

翻訳|ionium

百科事典マイペディアの解説

トリウムの同位体,(図)の歴史的な呼び名。イオン化作用が強いという意味で名づけられた。ウラン238Uのα崩壊によって生じ,自身もα崩壊してラジウムとなる。半減期8×104年。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

トリウム230に誤って与えられた元素名。ウラン・ラジウム系列のなかでウラン234(ウランⅡ)のα(アルファ)崩壊で生じたトリウム230は、1906年の発見当初、新元素とみなされ、イオニウムの名称と元素記号Ioが与えられた。しかし、発見者であるアメリカのボルトウッドBertram Borden Boltwood(1870―1927)が、その化学的性質がトリウムと同じであることを指摘し、それが同位体の存在を確認する端緒となった。海底土などの年代測定用核種としても利用される。

[岩本振武]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙 (ionium) ウラン系列に属する放射性元素の一つ。トリウムの同位元素。記号 Io 原子番号九〇。原子量二三〇。ウラン二三四のα崩壊によって生じ、みずからもα崩壊によってラジウムに変わる。

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化学辞典 第2版の解説

原子番号90の元素トリウムThの同位体核種の一つ.アイオニウムともいう.半減期75380 y でα崩壊する230Thの別名.ウラン崩壊系列中の核種の一つとして天然に存在する.トリウム同位体組成から海底の沈積物などの年代測定に利用される.1908年にB. Boltwoodがウラン鉱物中から分離し,新元素として命名したが,のちにトリウムの同位体と判明した.IUPACの認める正式元素名ではないが,イオニウム-トリウム年代測定法のように慣用的に使われることがある.[CAS 14269-63-7]

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