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イスラム諸国会議機構 いすらむしょこくかいぎきこうOrganization of the Islamic Conference

知恵蔵の解説

イスラム諸国会議機構

1969年9月、ラバト(モロッコ)で開かれたイスラム諸国首脳会議で設立された、イスラム諸国の政治的協力と連帯のための機構。71年5月にサウジアラビアジェッダに事務総局を置いて活動開始。57の加盟国のほか、オブザーバーが5カ国・8組織(国連など)。最高機関である首脳会議(加盟国の国王及び元首の会議)を3年ごとに開くが、外相会議は毎年開かれる。いくつもの常設委員会及び特設委員会に加えて、補助機関(研究所など)や特別機関(銀行や通信社など)を持つ。主たる活動は、イスラム諸国の関係する政治問題について連帯し、相互に支援し合うことで、アフガニスタン問題、イランイラク紛争、ボスニア・ヘルツェゴビナ問題、ソマリア問題など、多岐にわたる。最大の問題はパレスチナ問題で、常設委員会の1つであるアル=クッズ委員会(アル=クッズはアラビア語で聖地エルサレムの意)を中心に、聖地エルサレムのイスラエルからの奪回、パレスチナ人民の闘争支援、占領地の解放、及び同地におけるパレスチナ人の権利回復、などをうたって活動している.

(最上敏樹 国際基督教大学教授 / 2007年)

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大辞林 第三版の解説

イスラムしょこくかいぎきこう【イスラム諸国会議機構】

1971年五月に設立された機構。イスラム諸国間の連帯・協力推進・聖地エルサレムの地位回復などを目的とする。 OIC 。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

イスラム諸国会議機構
いすらむしょこくかいぎきこう
Organization of the Islamic Conference

1969年モロッコのラバトに集まったイスラム諸国首脳の会議で提案され、1971年に正式に成立した国際機構。略称OIC。世界のイスラム諸国が相互に結束して協力関係を築き、国際舞台においてイスラム世界の声を代表することを目的とした。加盟国に対する厳密な規定はなく、中東、アフリカアジアからの30か国で発足し、2010年時点で57か国。そのほか多数の団体、政府がオブザーバーとして存在した。2011年、名称をイスラム協力機構とした。
 イスラム諸国は長年国際組織の成立を望んでいたが、1967年の第三次中東戦争でアラブ諸国が敗北し、イスラムの第三の聖地エルサレムがイスラエルの占領下に置かれたのを契機として、同機構は発足した。最高意思決定機関は加盟国の首脳が参加して3年に一度開催される「イスラムサミット」で、2010年までに11回(および臨時サミットが3回)開催された。次に重要なのは毎年開かれる「イスラム外相会議」。事務総長は5年の任期(2期まで)で、事務局はサウジアラビアのジッダに所在。そのほか政治、経済、文化の分野にわたった個別の専門委員会、機関があった。その一つであるイスラム開発銀行はイスラム法に基づいて運営され、参加国や世界各地のムスリム(イスラム教徒)共同体の経済開発、社会事業の金融援助を目的とし、これまでにかなりの実績をあげている。
 同機構の目的は、OIC憲章に示されている。OIC発足時から受け継がれる主要な柱としては、参加国間の連帯、経済をはじめとする諸分野での相互協力の促進、ムスリムの権利獲得の支援、パレスチナ人の権利と独立運動の支援、さらには、国連をはじめとする国際機構との協力関係の維持、相互の内政不干渉と領土保全、紛争の平和的解決などである。
 同機構は世界規模の単一のイスラム共同体の成立を目ざすものではなく、現存の独立国家が緩やかに連帯して、協力関係を結ぶものであった。したがって個々の主権国家の利益が優先され、エジプト・イスラエル間の国交成立、イラン・イラク戦争、湾岸戦争などにみられるように、内部の対立が機構の運営をしばしばむずかしくした。しかし、国際舞台で一国では発言力の弱い参加国がまとまって意見を提言してきた意義は評価すべきである。たとえば1997年12月のテヘラン・サミットでは全参加国が首脳あるいは代表を送り、アメリカのイラン孤立策に対して一石を投じた。
 冷戦終結そして21世紀を迎えてからの国際情勢やイスラムを取り巻く環境の変化は、同機構にも影響を与えた。対話、協調、発展の概念が強調され、また人権問題やテロリズムなどにも焦点をあてるようになった。これを象徴するのが、セネガルの首都ダカールで開催された2008年の第11回サミットにおける新しい憲章の採択であった。1972年に採択された憲章にとってかわって、新しい内容が多く盛り込まれた。たとえば、他文明との対話による相互理解の促進、女性や子供を含む人権問題、民主主義やグッド・ガバナンスの促進、テロリズムの撲滅、さらには2005年の臨時サミットで取り上げられたイスラムの穏健性の強調やイスラム中傷問題への対処も、新しい目標となった。[池田美佐子]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について | 情報 凡例

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