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イピウタク文化 イピウタクぶんかIpiutak culture

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

イピウタク文化
イピウタクぶんか
Ipiutak culture

アメリカ合衆国アラスカ州北西部で 2~6世紀に栄えたと考えられるエスキモーの文化。イピュタク文化ともいう。埋葬習慣や儀礼の尊重,動物の彫刻や装飾,鉄の使用などの類似性からシベリア起源が示唆されるが,決定的な証拠はない。カチェマク文化やアラスカ南西部および南部などの地域との関連性もみられる。イピウタク人は春から夏にかけてのみ海岸地域で半地下の小屋に住み,その他の季節は内陸部を移動していたと考えられる。おもな食糧はアザラシとセイウチで,氷上から銛(もり)でしとめた。また,弓矢を用いてカリブーの狩猟も行なったが,魚や鳥は重要な食糧ではなかった。磨製のスレート(粘板岩)ではなくフリント(火打石)を道具に用いているのが特徴で,ホープ岬周辺に多くみられるフリントが武器の先端部やナイフ,へらなどに使用された。工芸品は他のエスキモー文化と比べて装飾が多く,幾何学模様と写実的図柄の両方がみられる。なかでも象牙や角に施された実在または想像上の動物の彫刻はみごとである。複雑な埋葬習慣,幽霊やクマの崇拝,シャーマニズムの存在が示唆される一方,石や粘土製のランプや鍋,銛用の浮き,弓錐,スレート製の道具など,エスキモー文化特有の要素がいくつか欠けている。

出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について | 情報

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