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イモガイ いもがい

百科事典マイペディアの解説

イモガイ

イモガイ科の巻貝の総称。殻は多くはサトイモの子いものような形をし,通常高さ7〜8cm,殻口は狭く長い。多くは熱帯地方の潮間帯や浅海の岩礁や砂泥底にすむ。日本産約120種。歯舌に毒腺があり,ふつうゴカイ,魚類などを捕食。アンボイナガイタガヤサンミナシガイは毒性が強く,刺されると人も数時間で死亡する危険性が高い。色彩が美しいので装飾用や観賞用にする。肉は食用。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

イモガイ
いもがい / 芋貝
cone shell

軟体動物門腹足綱イモガイ科に属する巻き貝の総称。同科Conidaeのうち、わが国には130種ぐらい産する。形は倒立円錐(えんすい)形で厚く、螺塔(らとう)は低く、殻高の大部分は体層で下のほう(動物体では前のほう)で細くなる。その形がサトイモに似ているのでこの名があるが、英名も形(円錐形)に基づく。殻口は狭くて長いため、肉が中に退縮してしまうと、まるで身がないようにみえるところから古名をミナシガイという。殻表には斑点(はんてん)、縞(しま)などの美しい文様があるが、生時は通常厚い褐色の殻皮に覆われてみえない種類もある。
 多くは熱帯地方の潮間帯付近の岩礁や砂底にすむが、なかには水深200メートル以上の深い所の岩礁や泥底にすむ種類もある。軟体の口には矢形をした歯舌歯があり、この中には毒腺(どくせん)から分泌された毒が充填(じゅうてん)され、これで多毛類やホシムシ類さらには魚類などを刺し殺して食べる。とくに魚類を食べる種類は毒性が強く、なかでもアンボイナガイGastridium geographumは、ときには貝を採集している人が刺されて死ぬことさえあり、ハブガイとよばれ恐れられている。このほかシロアンボイナガイG. tulipaやニシキミナシガイConus striatusなど数種が危険を伴う種とみなされている。丸みがあり扁平(へんぺい)で四角形をしたホオズキとよばれる卵嚢(らんのう)を夏季に多数産む。
 イモガイ科は世界中にはおよそ300~350種あって、近年まで20以上の属に分けられていたが、それらの境界があまり明確でなく、最近これらを1属Conusにまとめる動きがある。浅海種は熱帯域のサンゴ礁などで比較的容易に入手できるが、やや深い所にすむ美麗種は収集家に渇望されるため、異常な高価をよぶこともある。なかでも歴史上著名なのはウミノサカエイモガイC. gloriamarisで、19世紀の初めに100ポンドもした。現在はフィリピン海で比較的容易にとれるのでそれほどでもないが、1960年代までは1個400~700ドルもしていた。また最近では、ベンガルイモガイC. bengalensis1個が1350ポンドという記録がある。[奥谷喬司]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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