イラン語派(読み)イランごは(英語表記)Iranian languages

  • イラン語派 Iranian

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

インド=ヨーロッパ語族の一語派。インド=アーリア語派とともにインド=イラン語派をなす。古期イラン語と呼ばれるものは,アベスタ語と,アケメネス朝諸王の碑文古期ペルシア語とであり,アベスタ語はサンスクリット語とよく似ている。前3~後 10世紀の言語中期イラン語といわれ,古期ペルシア語に近い中期ペルシア語,アベスタ語に近いパルチア語,バクトリア語ソグド語サカ語などがある。 10世紀以降の近代イラン語のなかで最も重要なのは近代ペルシア語で,イラン,アフガニスタンなどで用いられる。ほかに,クルド語オセト語パシュト語など多くの言語に分れ,西アジアの広い地域に分布して,約 5000万人の話し手をもつ。

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百科事典マイペディアの解説

インド・ヨーロッパ語族に属する語派の一つ。古層はインド語派との類似が著しい。アベスター語と,古代ペルシア帝国の諸王の残した楔形(くさびがた)文字碑文を最古文献とする。前4世紀ごろから中期に移行し,東西2方言の系統がみられる。現在は近代ペルシア語(ファールシー)を中心に,パシュト語クルド語オセット語タジク語パミール高原の小言語群などからなる。→インド・イラン語派
→関連項目ソグド語

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世界大百科事典 第2版の解説

インド・ヨーロッパ語族の一語派で,その最古層ではインド語派にきわめて近く,インド・イラン語派Indo‐Iranianとして未分化の一時期をもったことを想定させる。独立の語派としての歴史は,古代イラン語,中期イラン語,近代イラン語の3期に分けられる。(1)古代イラン語として知られているのは,ゾロアスター教聖典アベスターの言語,およびアケメネス朝ペルシアの楔形文字碑文を記した古代ペルシア語である。アベスター語Avestanは,古代インドのベーダ語と同様,動詞名詞の活用に古形をよく保っている。

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大辞林 第三版の解説

インドヨーロッパ語族の一語派。アーリア諸語・イラン諸語・ヌーリスタン諸語の三語群を含み、イラン・アフガニスタンを中心とした地域に分布。最古の記録としてアケメネス朝ダレイオス大王の碑文(古代ペルシャ語)およびゾロアスター教の教典(アベスタ語)が残っている。

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世界の主要言語がわかる事典の解説

インドヨーロッパ語族の一語派インド語派近縁で、インドイラン語派からそれぞれに分化したと想定される。古代イラン語には、ゾロアスター教の聖典『アベスタ』の言語であるアベスタ語や、アケメネス朝ペルシアの古代ペルシア語があり、前者はインド語派のベーダ語ときわめて近い特徴をもつ。中期イラン語には、ササン朝ペルシアの中世ペルシア語、パルティア語、ソグド語、ホラズム語、バクトリア語、サカ語があり、それらの文献や碑文(ひぶん)が各地に知られる。近代イラン語には、ペルシア語、タジク語、クルド語、パシュトー語バルーチ語、オセット語などがあり、西アジアから中央アジアにかけて分布している。

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精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙 インド‐ヨーロッパ語族に属する諸言語で、インド‐アーリア諸語とともにインド‐イラン語派を構成する。最古層はゾロアスター教の聖典アベスタに書かれてあるアベスタ語と古代ペルシア語。後者が中古ペルシア語を経て現代ペルシア語となる。この現代ペルシア語のほか、クルド語、オセット語、アフガン語などが含まれる。

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